恩田晃セッション

Audio Sportsは結構気に入っていて、その流れで恩田晃のソロもある時期までは聴いていた。『Don't Say Anything』は印象が残っているので、その次辺りで興味から外れたのだと思う。

とは言ってもライブの告知を見ると気になる。ので、今夜のスーパーデラックスのセッションに行ってみた。



helllというバンドがイベントの開始。序盤、のらりくらりと静かにグルーヴするタイプに聴こえ、こちらもしまりのない状態でウダウダと音を聴いていると、少しずつ、3ミリぐらいずつ熱が上がっているような感触に気付く。そして最後はいっぱしの熱。捉えどころの無いバンドかと思っていたけれど、案外いける口。今夜の様な間違えた連中が集うライブじゃなくて、スタンディングのクラブ寄りなイベントの方がこのバンドの持ち味は活きたかも。

続けては恩田晃のソロ。アナログなテープでフィールド・レコーディングしたものを素材として演奏する。少し上気した空気をストイックな音像が変える。ヘヴィーでダークというよくある表現があてはまるのだけど、ノイズの中に人の声がふと現れたりするところに恩田の美意識が見て取れるようで、もう1セットぐらい、この音の持続が聴いてみたかった。

3rdはTerre Thaemlitzという人。全く知らない人。ステージに椅子とテーブルがセッティングされ、なにやら講釈を始める・・・。適当に聞き流していると、軽いアクシデントの後に音が流れる。PCで作成した自らの録音物をそのまま流す。ラップトップで演奏しているようなフリをせず、ただ座っている。潔い。オレは常々、プログラミングされたものをそのまま再生するのなら、別にラップトップを見つめて演奏している雰囲気を作る必要は無いよなあと思っていたので、Thaemlitzのそのスタイルは「よくやった!!」。曲そのものはノイズなものといえるのだけど、Melt Bananaを思い出すアルバムの全曲を同時に再生した曲とか、1000トラックをまとめたものとか・・・、なかなか面白い存在感。

最終セットは恩田に加え、山川冬樹と何者かが加わってのセッション。ホーメイな山川はイギルも使っての演奏。ちなみにホーメイのメイをミーにされてしまうと沖縄出身者としては余計な事を想像するので注意。恩田の作り出すトラックを山川と何者かが色づけ。イギルの擦弦な音や何者かが時々鳴らす爆竹の様な音と火薬のニオイが入り混じり、恩田の音も荘厳な響きのループだったりして、全体に宗教っぽい雰囲気が充満。