Miya Masaoka (正岡みや) / Marcos Fernandes / 臼井康浩

今日はなんとなくピットインでスガダイローでも見ようかと思っていた。だけど、なんとなく押しが足りない。オレ、別にスガダイローを特に気に入っているわけじゃないよなあ、と思って、クラシックスのスケジュールを見るとよくわからない感じ。でも、なんとなくこういうものでも見てみようかと思って、そうしようと思って、一応スーパーデラックスもチェックするとMiya Masaokaというよく知らない人の名前。普段ならここでそのまま閉じてしまうのだけど、なんとなく詳細を押すと、臼井康浩の名前。これで決定。今夜はSDLX。

Miya Masaokaは箏奏者。と書いてあったので、八木さん以外で初めて即興する箏奏者の演奏を聴く事になる。興味は深い。



藤井さんの名古屋オケがピットインにやってきて以来の臼井の音を聴く機会。3人の中で1人だけ知っている音であるというバランスは悪くない。と思っていたら、Marcos Fernandesを見て「あ、この人のライブ見た事ある・・・」と気付く。07/11のBill HoristとK.K.Nullとのライブ。しかも場所はこのSDLX。巡り会わせってヤツ。



当然の如く演奏は即興。しっかりお互いの音を拾いながら、繊細に抑揚が付いていく。

臼井は普通なスタイルでの演奏の印象が無い。Elliot Sharpとの時でも、ここまでだった印象が無い。辣腕ギタリストがArto Lindsayやっているとでもいうか、説明としてはそういう事で。面白すぎ。

Fernandesは前回と同じく、テーブルに並べたパーカッション的なものを叩く。ループもさせる。凄く知性的に見えて、ふざけているようにも思えたりする。要するに真剣に遊んでいるように見える。

そして正岡さん。たとえダメだと言われても、八木さんとの違いを思い浮かべながら演奏を追ってしまう。例えばPeter BrotzmanやPaal Nilssen-Loveとぶつかりながら演奏する八木さんは、そういう印象で言えばアグレッシヴな音の持ち主で、でもトランス気味にグルーヴしていて、大胆に音が入り込んでくる。正岡さんはどちらかと言えば本来の筝の音を活かして、繊細に音が散る。筝へのアプローチで、八木さんが太鼓のバチの様なものでサディスティックに向かうのをよく見るけれど、正岡さんは両手にドラム・スティックの様なものを持ち、音を浮遊させるように関わる。筝という楽器で即興するという理由だけで並べてみようとしても、結局当然違うものを聴かせてくれるわけで、まあ、そういう当たり前を知る事が出来るのもライブという場、ならでは。と思う。正岡さんは1stの最後の演奏でレーザー筝という楽器を扱っていて、見た目の変化があったのも面白い。

ジャズな音色とか強引な展開は全然無くて、音響派的な即興を楽しめるのなら受け入れやすい演奏だったはず。オレは、もちろん。



客席は相変わらず厳しい状態。後5倍ぐらい、人が来てもいいんじゃ?



そんな中、ラパポート氏と遭遇。氏の主宰するライブはよく見ているので顔を覚えていただいている。いつも当然の様に忙しそうなのでこちらから声をかけたりはしないのだけど、正岡さんと八木さんが友人らしく、今夜は客としてきていた模様。声をかけていただき色々色んな事を聞かせて頂きました。さすがに「なるほど」な話が多く、これからも色々とやって欲しいと、思ったり。気になっていたTalonの意味も教えてもらい、八木さんの大まかな予定も教えていただいた。また楽しみが増えた。