土取利行 × 山内桂

今日は色々と面白そうなライブが並んだ。スーパーデラックスはなんかよくわからないアイドルみたいな人達が多々集まってイベント。ファッ金具ヒルズの近くに秋葉系が集まってくるというイヤミの様なイベント。かなり興味深く、オレも人生の中で一度ぐらいはアイドルという人達をお金を払って見てみたい(歩いているのとか、何か買っているのとかは見た事ある)。と思ったけれど、思うだけにした。国立のノートランクスでは芳垣安洋のソロ・パフォーマンス。これが大本命。だったけど、ノートランクスは足を向けない候補にしていて、基本がバーという外様感にビビりもあり躊躇。そんなところに土取利行×山内桂というライブの情報。場所は埼玉。ここ数年、仕事で新幹線で素通りするだけの埼玉だけど、あえてそこに足を向けるのも面白いかと。で、もう多分10年ぶりぐらいに埼玉、、、と思ったけど、02年にW杯の準決勝を見ているので、6年半ぶりだと気付いた。

浦和駅着。思ってたより渋谷から遠くない。浦和といえばレッズ。Jリーグのチームの本拠地なのだから、それなりに開けていると思っていたのだけど、、、これ以上の感想は止めとく。

埼玉会館という場所にたどり着き、やたらアットホームな家族連れが多々いるのを見てちょっとビビると、YAMAHA音楽教室の発表会が大きいほうのホールでやっていたらしい。普段全く見かけること無い、オレとは別世界の人達。なんとなく色々思う。



土取については名前を覚えている程度で、なにやら即興な演奏とは違う場に活動を移していたけれど、久しぶりにそういう場に戻ってきたとか? アカデミック色を感じる活動の成果を持っての演奏という事になる。そしてその相手に山内を選んだという事を考えて、演奏されるはずのものを頭に思い描いていた。

まずは山内が登場してソロ演奏。ソプラニーノで音色の変化を伴った速い短いフレーズを繰り返す。鮮烈。

続いて土取の登場。こちらもソロでジャンベ(の様なもの)を叩く。この1つの楽器だけで、演奏を成り立たせる事ができる事を確認させる。

そしてデュオ。デュオ・インプロヴィゼイションとの事だったので、厳しい音を持ったフリー・インプロを期待。が、土取の演奏はフリージャズ。まあ確かに、プリミティブがどうのこうという要素はあった。、スネアがあるのか無いのかよくわからないようなセッティングで、バスドラを多々使う事でベース音の役割も持っていた。やってることはフリージャズ。「は?」と思うオレ。山内はアルトで持ち味の音色の為のロングトーンを連ねる。それを聴かせる事が山内の個性であり、その山内を選んだのならそれを活かす演奏を予想するのは当然のはず。だけど土取のやってるのはフリージャズ。さらに、やたら声を出す一部の観客。うっさい。オレはお前らの変な声をお金を出して聴きに来たわけじゃない。今時、こんな風に騒ぐ客を見たことが無い。と言っても昔のことは知らんけど。だけど結局その客席を煽り、コール&レスポンスまでする土取。そうか、この人はパファーマーなんだな、と気付いた。

山内は土取の叩きに合わせてフリージャズな演奏をする時間もあった。勿論それはそれでカッコよかったし、山内のそういう演奏を見る事が出来たのは収穫。終盤、土取が静かになり、山内のあの音が響く時間。その音を追っていると、結局土取がまたガチャガチャ。マジでうっさい。



デュオ・インプロヴィゼイションなんていうお題目じゃなく、普通にフリージャズと言っていてくれれば特に文句をつける事は無かった。だけど山内を使ってあの演奏の意図がよくわからない。フリージャズをやりたいのなら、他の演奏者の方がわかりやすかったはず。

企画者は「歴史に残るコンサートにしたい」との事でしたが、少なくてもオレは、そういうモノにはならなかったと確信している。まあ、「好みの問題」という便利な言葉を当てはめてもいいですけど。