Brassticks

ライブ鑑賞5連荘・・・。今夜はピットインでBrassticks。今夜が3度目のライブという事だけど、3回とも見てるな。



昨年の6月と11月についでの3度目だから、結構間隔は狭い。という事をあえて書くのは、あまり書いておく事がないからで、多分昨年の2つのログの内容をコピぺしてしまえばログは終わる。と思って過去のログを見てみたら、なんか、どういう音楽をやっていたのか全く読み取れないな、と。楽器の編成と面子、誰の曲が演奏されたかという事しか書いてなくて、あとは自分の頭の中に浮かんだ事が書いてあるだけ。まあ、誰かに向けて書いているわけじゃないので説明的になる必要も無いと思うけれど、自分の記憶のためにも少し。



例えば1stの1曲目、青木タイセイの曲が演奏される。曲名は覚えていないけれど、カリビアン・レゲエと形容したくなるような曲。レゲエにカリビアンをつける必要があるのか?と突っ込みたい気持ちはよくわかるけれど、あえてカリビアンと付けたくなる。それは全体の演奏にもいえる事で、元々タイセイと芳垣安洋とGideon Jucks以外はこのバンドで聴くまで知らない面子だったのだけど、他の3人はどちらかと言うとラテン(なジャズ)の場で音楽をやっている人たちで、音を発するスタンスに開放的な雰囲気がある。小難しさよりも、わかりやすくても魅力的なものを選んでいるように見える。もちろんタイセイも出自はそっちだったはずだし、芳垣のそういう素養は当然。

Monkの曲がいくつも演奏される。「Brilliant Corners」、「Let's Cool One」、「Little Rootie Tootie」、「Rhythm-A-Ning」、「Hackensack」、「Mood Indigo」。これらが演奏されるときはさすがに少しジャジーな雰囲気。

もちろんタイセイや芳垣の曲、さらに「If You Never Come to Me」(Jobimだっけ?)等、いくつもの曲が演奏される。特に印象に残るのは1st中盤のタイセイの曲。こっちもタイトルは覚えていないのだけど、情感溢れる感じがMute Beatの「From Russia with Love」を思いださせる。そしてもう1曲、芳垣の「Aero-Kite on the Roof (飛行機凧)」。少しアブストラクトなイントロから導かれてJuckesが旋律を奏でる瞬間、オレはVincent Atmicusの演奏よりこのバンドの演奏を気に入る事がわかった。そして、特にこの曲を演奏している時の芳垣、というか、この曲で叩いていない時の柔和な表情で音を聴いている芳垣が印象的。多々芳垣の演奏している場面を見ているけれど、こんな表情は見たことが無かった。どのバンドで演奏している時よりも、純粋に音を楽しんでいる表情だったと思う。



艶やかで色気のある音色の佐々木史郎のトランペット、そこに引くことなく溌剌と何度もソロを取った同じくトランペットの松島啓之、実はタイセイと音が重なる時に最も音の個性が出る堂本雅樹のバストロンボーン、タフなGideon Juckesのチューバ、リラックスな芳垣、そして、トロンボーンのみならず、ピアニカでも聴かせどころがあるタイセイ。

こういう音がクロスして金管独特の浮遊感があって、だけど実は覚醒的で音はハッキリと残る。