Dirty Heat Party

昨夜勝井祐二が「明日は絵人間が好きな人は六本木に」というようなMCをかましていた。絵人間というのは、アート好き人間ではなくタトゥー入りの連中の事。中村達也とのセッション。オレは絵人間に興味は無いけれど、元々スーパーデラックスに行くつもりだった。というか、今時達也絡みでもタトゥー入りが目立つほど集まるとは思えない。



で、予想通り絵人間は見当たらず。というか、この寒い時期に剥き出しの状態がいないだけかもしらんけど。

先週予約したオレの整理番号が250番台。SDLXでは整理番号が付かない事も多々あるので、こうやって番号が振られる事が久々だし、それより何より、250番台という事に若干クラつく。当日も合わせると300ぐらいは確実に入る? SDLXで? 等と思っていたら、今回は珍しく、というかオレはSDLXでは初めて見たのだけど、縦長のセッティング&スタンディング。正直、視界という点ではかなり前方じゃなければ苦しい事になったけれど、オレとしてはこれはOK。



達也と勝井以外の面子はディジュリドゥGOMA、キーボードの森岡賢、ベースのケンケン。GOMAは恐らく日本で最も知られたディジュリドゥの使い手。そして森岡の名前を見たときに、一瞬同姓同名の別人かと思ったけれど、Soft Ballet森岡。懐かしすぎる・・・。ベースのケンケンは初めて聞いた名前。



どういう演奏が繰り広げられるのか?、は、あまり考えずに演奏に接した。

1st、ロックなセッションにグルーヴが持ち込まれた様な印象。達也は強烈なリズムに、時折ディレイを使ったような音も入り込む。手数の多い縦ノリなビートなのだけど、ケンケンのベースとのコンビネーションがよく、時折上モノの様に音を走らせる場面もあった。

途中でドローンの様なベース音があり、それがベースが発しているとすれば奏法的に無理がありそうで、それならばGOMAディジュをアウトプットで弄ったか、森岡のキーボードから発せられたのか? とか、考えたり。

2ndは1stの要素にさらにファンクが濃くなったような演奏。強烈にグルーヴする。1stでも印象的だったケンケンは、この2ndでより一層、インパクトを残す。アヴァンにテクニカルという類の興味ではなく、音色をコントロールしながらグルーヴ。派手に進める風に見えて、グルーヴは全く外れず。で、今このケンケンのプロフィールを見て、Rizeのベースである事を知り、さらに23歳という若さである事を知る。その若さでこの面子の中であの存在感。

上モノに印象が残らないわけじゃない。今夜の勝井のヴァイオリンは、トランシーというよりスペイシーとでも形容したい感じで、重心の低い音の中でも響く音を提示。バックアップ気味な森岡も、時々アグレッシヴな音を差し込んで耳を引く。GOMAディジュはケンケンのベース音の交代をしたり、グルーヴに加味をしたり、低い音の混沌を演出。



このログ内で既にで何度も使っているのであれだけど、とにかく、グルーヴィーなライブだった。縦横斜めとかの限定ではなく、全部が揃って重なったようなグルーヴ。

この感覚はなんだろうな?と考えていて、思った。今年初の、Milesな音だと思った。アガパンで到達したどす黒いファンクと、手当たり次第にかき集めた結果フュージョンになってしまった80年代のMiles流のファンクが、お互いの中間地点で出会ったようなファンク。上モノの広がり方も、そこに当てはまる。Dirty Heat Partyはそういう音だと思う。