Peter Brotzmann / Paal Nilssen-Love / Mats Gustafsson

そもそも1回だけ聴いてほったらかしたり、1曲だけ聴いて止めたりとか、かなり贅沢な事をしていられる身分なのか?と、反省して、そういう状態のCDを改めて色々聴きなおし中。



昨年のT0ky0 C0mflux 2008の初日の2ndが、Peter Brotzmann / Paal Nilssen-Love / Mats GustafssonによるThe Fat is Goneだった。ベース抜きの2管+ドラムのトリオという編成。音楽を安定させるベースが居ないのに、よりによってそこで吹き鳴らすのがBrotzmannとGustafsson。それを支えるのがPNL。胸焼け必至の編成。最初は懐疑的だった。だけどここでいきなり吹っ飛ばされた。

あまりのカッコ良さに、5日間のイベントの最終日に物販で『The Fat is Gone』を購入。その後当然耳にしたけれど、まだあの音が残っている状態だったせいでちゃんと聴かずに放っていた。

怒涛に一気に駆け抜ける1曲目、音数の少ない展開も持った2曲目と3曲目。どの演奏もこの3人らしく、持っているモノを全開。特殊奏法も用いて、非情に音を吐き出すGustafsson。そのGustafssonに引けを取らない音圧と、Aylerを思わせるスピリチュアルも顔をのぞかせるBrotzmann。流石の圧倒的な音数と、緩急も扱うPNL。ベースが無い為にこれらの音の押さえが効かず、ものすごく高いところに沸点が設定されている。だけど不思議と高圧的ではなくて、全てが真っ白になっていく様に感じる。









Peter Brotzmann / Paal Nilssen-Love / Mats Gustafsson 『The Fat is Gone』