梅津和時

正月はTVが恐ろしくつまらない。今日は結局天皇杯しか見ていない。という事で今日3つ目のログ。元旦なので、たまにはこういう事も有りかと。



この間茶水のユニオンまで行って手に入れた『梅津和時、演歌を吹く。』を、なんとなく大晦日に年越しそばでも食べながら聴こうと思っていたのだけど、昨夜は『ガキ使』が結構面白くて、それを見てて結局年を越してしまった・・・。なので改めて、天皇杯を見終わった後に耳にした。



これは参りました。しかも完全に。



1曲目でAylerが聴こえてくる。タイトルを見ると「唐獅子牡丹」とある。だけどこのスピリチュアルなヴァイブレーションはオレにはAylerにしか聴こえない。続けて2曲目。Coltraneの「Countdown」を早回しで循環呼吸で吹ききったような圧迫感。なんだこれは?と、タイトルを見ると「夢は夜ひらく」とある。どうなってんだ?と思っていると、今度はDlophyの「God Bless the Child」が聴こえてくる。そんなはずは無いと思いタイトルを見ると「北帰行」とある。

これ以上続けても仕方が無い。多分ジャズ聴きならば、オレの言いたい事がわかると思うけど、念のため、誤解を避ける事は書いておく。

誰々を思い出すという事は、それに似ているという事。だけど1人のミュージシャンが無伴奏ソロで、しかも元々がジャズでは無い曲を吹いて、ジャズにおいて優れて個性的な3人の奏者を思い出させるというのはありえない事。そして勿論、その3人とは違う個性も聴こえてくる。これは、演歌という枠を吹いているはずだけど、染み付いたものは隠せないし隠さない結果に出てきた音。

オレは演歌を全く聴かないし、思い入れもまるで無い。だけどここに入っているメロディーが染みる部分はあるし、そもそもジャズは、ジャズ曲じゃないものをそれに変化させてきたはずで、だからここで素材が何であろうが、これをジャズとして聴く事に躊躇しない。

これがジャズじゃなければ何がジャズ?って問いたいぐらい、強烈な、スピリチュアルなジャズ。









梅津和時梅津和時、演歌を吹く。』