福富幸宏

少しずつ聴くジャンルを減らそうと思って、打ち込みのものはあまり手を出していないけれど、福富幸宏の新作『Contact』を手にとってしまった。福富のCDを買ったのは『Timeless』以来。久々。ここ数年はオレにはどうでもいい人だったという事になるわけだけど、なんとなく、今の福富が作る音はオレの気分に合うような予感。



Reichの様なマリンバの繰り返しから、徐々にミニマル・テクノに変化する「The Empty Set」。ヴォーカル入りながら、ハウスというよりテクノの感触が残る「Open Our Eyes」。前曲のベースを抜いて聴感を変化させた「Open Our Eyes Part2」。アッパーな曲調も、騒がしくないラテンなハウス「The Music」。同じくラテン風、そこにジャジーを持ち込み、ビートが練られた「Beautifu People」。前曲の要素に、更にファンクを加えた「Here and Now」。4つ打ちをベースにしたフューチャー・ジャズ「Nesting」。ミニマルなベースの上で展開の有無が進む「A Nodal Point」。スピリチュアル・ジャズ「Out of Nowhere」。R&B寄りのストイックなトラックと、表現力がありながら過剰ではない歌のコラボ「Time for Change」。



的中。45歳になったハウス・クリエイターが作った音に、新機軸とか斬新とか、そういう無責任は無い。









福富幸宏 『Contact』