Charlie Haden

音楽のベースにどカントリーを持ってきた『Rambling Boy』は、それだけではなくブルージーなものや、「ジーザス、ジーザス言ってるし、ゴスペルだよな?」というようなものもあり、これもアメリカーナというイマイチ理解不足な言葉で片付けたいけれど、でも、カントリーと言った方がしっくりくる。このアルバムの制作者は、ベーシストでフリージャズの盟友Charlie Haden。あれ?、ジャズは?



かましておいてあれだけど、元々Hadenの音にはそれなりにカントリーの感触があった。今作に参加しているPat Methenyとの『Beyond the Missouri Sky (Short Stories)』、LMOの『Not in Our Name』も、なんとなくそういう感じはある。だけど全編にわたって基本歌入りのこういうアルバムをリリースしてくるとは想像していなかった。というより、Hadenがどういうアルバムを作ってくるかという事をイチイチ考えたりしていなかった。

Bill FrisellとかHank Robertsの作品でもわかるように、アメリカのアングロ・サクソンの人達は結局カントリーが根底。カントリーというと、Dixie Chicksの一件なんかのイメージで、保守層のみに愛されている音楽だと思ってしまいそうだけど、LMOなHadenがそんな層なわけはなく、このリリースで間違った想像をしてしまいそうなところが補正された。



ジャズ的な演奏力で聴かせる部分は殆ど無い。あくまでも歌ありき。古いアメリカ映画の、普通だけど幸福な表現で使われる様な曲がいくつもあり、これがいつもの音楽だった時代や場所を知らないのに、その既視感はこの音楽の豊潤さを伝えていてるのだと思う。









Charlie Haden, Family and Friends 『Rambling Boy』