Gene Coleman Birthday Live

1stセットは2つのトリオ編成。まずはGene Colemanと内橋和久と田中悠美子。ギターのイメージの音をあまり使わない内橋。テーブルトップ三味線状態の田中さん。今夜のメインのGene Colemanは、即興派らしい特殊奏法でバスクラを鳴らす。

続いて笙の石川高とノーインプット・ミキシング・ボードの中村としまるがColemanと演奏。ここでは持続する音の動きを追ってしまう。

2ndは1stで演奏した5人にラップトップのCarl Stoneが加わった編成。整然と乱雑な、音のやり取りと共鳴。即興するという事は、継続からの脱却とは違うのだと思えた。



アンコールは無し。客であるこちら側が要求しなかった。それは、要求するには客席がまばらだった事と、多分、今夜の演奏のあてが外れてしまった人もいた事が関係している。今日もコテコテ書いていないけれど、オレは今夜の演奏は感じるものが多かった。音が目の前で現れて消えていく事を感じられる演奏は、わかりやすい音圧での演奏よりも、集中が出てくる。




バースデイ・ライブという事で、今日は本当にGene Colemanの誕生日だったらしい。おめでとうございます。



一気に悪くなってしまった経済の動向と集客は、やはり関係するんだろうと思う。オレは他の趣味にはあまりお金を使わないし扶養家族がいないから、こうやって見たいものを見に行くという行動をやれるけれど、そうじゃない人達はライブという場から足が遠のいているのだと思う。今夜の演奏とか、前衛的という言い方に当てはまる場所の音楽になると思うのだけど、こういう音楽ほど、影響を受けやすいのかもしれない。色んなものは関係しあって成り立っている事を実感。