David Murray Super Session

いや。しかし・・・。



今夜のライブのチケットを手に入れたのはチケット販売開始当日。Susanna Wallumrodのライブの時に購入。その整理番号を見てビックリ。こんなに早く買ってこんな番号は初めてだった。あの菊池某のライブの時にすら、こんな番号ではなかった。まあそれでもギリギリ座れるぐらいかと思ったのだけど、知人の分の席を確保するなどする人が多数いて×。まあ、仕方ないと思った。だけど今夜は満員。チケットは前日でソールドアウトだったらしく、久々に苦しい状態。このところ「なんでこんなに客少ない?」って思う事が多かったのに、今夜は「なんでこんなに客がいる?」と思ってしまった。



2年前ぐらいに見たDavid Murrayのライブは、もう2度と見ないと思わせるような、どうでもいい内容だった。それなのに行ってしまったのは、脇を固めた面子のせい。内橋和久と芳垣安洋が出るとなれば、ASファンとしては見に行きたいのは当たり前。でも、ASファンの数はこの間の3daysでなんとなくわかったので、今夜のこの客入りは山下洋輔と不和大輔の集客力なのだろう。2年前のMurrayのライブはこんな状態じゃなかったし、結構な年配の人は山下ファンだと思うし、そうじゃない人たちは渋さ知らズからの流れの人達とか。身動きのとりにくい状態だったので、開演までの時間や休憩時間にそんなことを考えていた。



1stは多分2曲の演奏。いきなりゴリゴリな演奏が始まる。Murrayもゴリゴリ吹く。2年前は全くこんな音は無かった。山下も内橋もゴリゴリと絡む。アコベの不和は音を羅列して演奏を支える。だけど少々音が拾いづらい。そして芳垣が圧巻。煽りの芳垣。勝手な推測だけど、あまりMurrayは好きじゃ無さそうに見える芳垣。なんかこう、「オマエ着いて来れんのか?」って感じだった。

続いてジャジーでバッラドな演奏。ここで思わずニヤ付く。内橋のジャジーな演奏。ASにジャズの曲だけやったアルバムがあるけど、内橋のこういう演奏をライブで聴くのは初めて。これは収穫。

2ndはゲストの尺八奏者(名前忘れた)と、バスクラと持ったMurrayのデュオで演奏が始まる。厳かな響きの演奏。これはなかなか良い。でも、もっと音に集中できる環境で聴きたかった。デュオが続く中、他の面子がステージに現れ演奏に参加。演奏はグルーヴィーなものに変わる。アメリカ人のアフロ・グルーヴ的演奏とでもいうか、とにかくそういう感じ。しかも途中でMurrayが歌う・・・。そしてまたしてもゲストのアルト・サックス(この人も名前忘れた)が加わりMurrayとブローイング・セッション。まあ、賑やかな感じになった。

続けて聴き覚えのある曲。「Ming's Samba」か?、いや違うか。まあなんでもいいや。こっちもノリのいい演奏。演奏終盤、Murrayが抜け内橋が曲をブチ切るように変化させる。要するに内橋らしいあの音。やっぱこれだよなと思う。



ゴリゴリにハードな演奏は結局1stの最初の演奏だけだった。仕方ないか。MurrayはSonny RollinsJohn Coltraneを感じさせたり、さらに高音がかすれるようなところはAyler的だったり、色んな演奏家の要素が感じられた。そしてMurrayらしさという点で、サディスティックな音使いも最初の演奏で聴くことが出来たので、2年前のどうしようもない印象からは持ち直した。でも、また見たいか?と言われたら、今夜のような状態で見る事になるとしたら、多分行かない。芳垣と内橋がいるとはいえ、そこまでしてこのライブを見たいとは思わない。