横川理彦 / Ahmad Compaore / 外山明

今日の昼頃、これから年末に向けてのライブをチェックしていて、見つけてしまった今日のピットインの昼の部。横川理彦という人は知らないし、Ahmad Compaoreも知らない。外山明はオレの好きなドラマーの1人。それだけで見に行く事を決める。最近ちょっとテンションが上がってるので、こういう事になる。

横川はP-Modelのメンバーだった事もあるようで、でもだからといってP-Modelに思い入れも何も無いので特に何か思う事はない。Compaoreはサウジアラビア生まれで現在はフランス国籍(と思われる)のドラム及びパーカッション奏者。父親がブルキナファソで母親はエジプトの出身という多文化な人らしい。フランス政府の支援で3ヶ月日本に滞在し、横川と行動を共にしたに後CDを作成する予定だとか。この2人のユニットはAKiRAという名前が付いている。外山は端折る。



横川は(サイレント)ギターとヴァイオリン、そしてラップトップを扱う。ギターでリフ的な構造を持った曲を奏でる時は、グルーヴィーでカッコいい。ビートを刻むのは主にCompaoreの仕事。外山はいつものようにありえないタイミングで音を出したかと思うと、手元にあるもので音を発する。エレクトリックな仕掛けのあるそれが、エフェクトとサンプラー的な事をするのはわかったけれどやけに小さいと思っていたら、2ndで横川がカオスパッドといっているのを聞いて納得。今まで外山がそういうモノを扱っているのを見た事がなかったので新鮮。

ノーマルな感じのドラムセットと、如何にも民族楽器的な吊るしのある状態で演奏を行うCompaore。頭にターバンを巻いた姿はイスラム系(でも熱が入ると邪魔なのか、外していた)。普通に叩いている時やドラムソロの状態の時はすぐにそれとわかる個性は気付けなかったけれど、いきなり大きな音を出したり、スネアでリズムをキープする時はパーカッシヴなアプローチ。

外山はティンバレスとコンガが1つ、そしてシンバルが2枚といったシンプルなセット。それにカオスパッドと、左手に紐で吊るしたベルを、その左手にはめた指輪で鳴らすという事もやっていた。他にドラムがいる為か、カオスパッドで音を出していることも多い。

全体的にある程度骨格のハッキリした演奏が多く、協力して音楽作り上げながらそれぞれの個性を見せていく。Compaoreと外山のデュオもあったけれど、ビートを作るCompaoreと、タイミングがわからない外山の叩きはある意味噛み合う。横川は歌ったりするし、Compaoreも歌ったりする。さらに2ndの1曲とアンコールでエミ・エレオノーラが加わって歌う。十分に聴かせる力のある歌声と、エンターテインメントとしての面白さをエレオノーラは持っている。

和気藹々とした楽しげな雰囲気のセッションだった。こういう雑多な演奏も面白い。