Sanhedrin

今年のほぼ3月な2月に初めて見たサンヘドリン。その時は勝井祐二を加えた編成だったけれど、今夜は灰野敬二吉田達也ナスノミツルのトリオ。勝井入りも良かったけれど、オリジナルな面子で見たいと思い、スーパーデラックス。



1st2ndともに、薄暗い状態のステージ。灰野は黒メガネなわけで、こんな状態でよく演奏できるなと、多少の関心。でも、目が悪くなるのでお気をつけ下さい。



とりなおして。1stの灰野はギターと少しの歌唱。なので印象としては全編ギターを弾いていたことになる。しかも他はドラム&ベースだから、その音がかなり入り込んだ。演奏を聴きながら感じていたのだけど、シューゲイザー的演奏だったと言っていいと思う。オレのイメージの中の灰野の音より煌びやかで、撒き散るような音。そういう印象が強く、それはエフェクターの使い方を覚えたてのギター小僧が悦に入って音を出している様な無垢な印象さえある。演奏は1時間で1曲。

2ndでは灰野は三味線から演奏を始める。吉田はジャンベ(オレは脇に抱える事の出来るパーカッションは全てジャンベだと思っている)。1stと比べれば素朴な音で始まったけれど、不思議とカッコいい。そこにナスノが絡みペースを提供していると、いつの間にか灰野の三味線がペースを支える側に回り、ナスノの音が上モノに聴こえる。その後灰野はギター、歌唱、フルート等を扱う。1stとは違って、オレのイメージ中の灰野らしい引き攣るようなギターの音も挟み込む。だけど実は今夜、最も惹かれたのはナスノ。オレはそれなりにナスノが加わったライブを見ているはず。その記憶から、今夜のナスノは最も優れた演奏を聴いたと思う。1st2ndともに、音楽の印象を形作っていたのはナスノのベースで、特に2nd、ファンクを思わせるグルーヴが持ち込まれると、その上で暴れる灰野はまるでPete Coseyの様で、まあ要するにまたしてもそこでオレはエレクトリックなMilesのバンドを思い出した。今夜のナスノはわかりやすいグルーヴとは少々異なった音も持ち込んでいて、その音の強さ、特に低音の強さは、吉田の音の印象がシンバルを激しく鳴らしている時ぐらいしか残していない。もちろん灰野はその上で音を扱えるけれど、それでもナスノの音の方が強く印象に残っている。2ndは1時間15分ぐらいだったか?、1曲の演奏。終了時には23:00近くになっていて、アンコールの要求は出来なかった。



物販でCDを購入。ライブでの限定発売らしいサンヘドリンのライブ盤。吉田達也が、「今回のツアーのみの販売だから、今夜を逃すと手に入らないかもしれないので、皆、買って帰るように」と煽っていた・・・。