Peter Brotzmann / 八木美知依 / Paal Nilssen-Love

昨年のドイツ・ツアーでの録音という、Peter Brotzmann / 八木美知依 / Paal Nilssen-Loveによる『Head On』は、今年4月のトリオのツアーで物販する為のものだったらしい。八木さんのブログでそういうものがあると知った時は「何故日本で売らない・・・」と思った。が、8月のとある日、Ftarriの通販サイトをウダウダ見ていた時に『Head On』を発見。説明で各メンバーのライブで物販していると書いてあり、これを見つける前に見た八木さんと佐藤允彦とのライブでも物販していたのかも知れないと思うと、物販をチェックしなかった事を後悔。ピットインでのJim O'Rourkeとのセッションでも物販するかもしれないと思ったけど、それまで待つ事が出来ずFtarriで購入。

このトリオでのライブは昨年ピットインで見る事が出来た。インプロヴァイザーとしての各々の音が絡み合っていく演奏の持つスリルは多弁。

『Head On』にはそういう音が詰まっているけれど、単純な迫力という点ではライブを見る経験には及ばない。例えばPNLのドラムの迫力は、録音物ではなかなか伝わらないと思う。じゃあツマラナイのかと言えばそんなわけは無く、ライブの場では見過ごしてしまいそうな音を聴く事が出来て、冷静にのめりこむ。八木さんの弦の硬質な音が心地いいし、どこかを叩いているのを聴いているとNeubautenが頭に浮かぶ。Botzmannの豪放さには非情さも見えるけれど、スピリチュアルともいえるラインを吹いている時はAylerを思い出す。PNLは圧倒的な手数だけではなく、実は色々な要素の叩きをしている事に気づく事が出来る。まるでトリオ編成のCompanyの様でもあるけれど、この3人ならではの音の塊。



で、このトリオ、『Tokyo Conflux 2008』の5日目に登場します(多分)。『Tokyo Conflux 2008』の5日間は中国のNOTCHに負けない演奏が繰り広げられるはず。これだけの面子、他国でもそうそう揃わないと思う。これが開催国や自治体のバックアップがあったり、大きなスポンサーが付いてのイベントじゃないというところがいい。でもノルウェー助成金だしているかも。

東京に来られない方は、このトリオは京都大阪名古屋でもライブがあるようなので、仕事を休んででも見ておけば後悔を防げる。



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Peter Brotzmann / Michiyo Yagi / Paal Nilsen-Love 『Head On』