Jim O'Rourke / 坂田明 / 井野信義 / 豊住芳三郎

ピットインは地下にあるので、一旦中に入ってしまえば帰りまで外の状況はわからない。で、今夜。外に出ると雨。ゲリラ雨だかゲリラ豪雨だかという状態。傘を持ってない人及び、傘を持っていてもためらった状態の人達が多数いた。「ちっ」と思いつつ、折り畳み傘を取り出して颯爽と行くつもりが、、、雷の光が昼の様にしてくれて若干ビビる。が、引き返せない。なんかさっきまで見ていたライブのような雨だと思った。



O'Rourkeは、今では日本語でMCというかメンバー紹介をする。だけどシャイな性格なのか正面を向いて喋らず、そのせいで少しシドロモドロだったりするけれど、キチンと伝わる。話は変わるけれど、昨夜のライブを見て、今夜のライブの面子を見て、演奏の内容の予想が出来ていた。昨夜のライブは個々が対等であり、音の変化と演奏の転換が豊潤で、使い古された言葉で言えば、万華鏡の様だった。O'Rourkeは多分最終的なイニシアチブを持っていて、大枠の中で音楽の方向を見ていたと思う。

今夜も1st2ndともに1曲の構成。1stの演奏が始まって、ゆっくりと音楽が進んでいくさまを聴きながら、自分の予想が当たると確信。その進行の中で、井野さんも豊住さんも余裕の音を聴かせる。そこに表情をつけ、露払いのようなギターのO'Rourke。整った状況の中で、いつもの様にサックスを響かせる坂田さん。徐々に熱を帯びる演奏は、フリージャズという言葉で問題ないはず。それが1度到達点を見せ、一旦演奏は膠着状態。そこに変化をつけるのは坂田さんの歌声。そしてその後、徐々にヤバイ前兆を見せ始めるO'Rourke。そして、その通りにぶち切れたO'Rourkeの音が始まる。こうなったO'Rourkeは椅子に座って弾いていられない。ギターを抱え込みながら腰を浮かせつつ体を前後に揺らし、時折立ち上がって感情を放出。そのスイッチが入ったO'Rourkeを放っておけない井野さんと豊住さんは、激しく音を敷き詰める。ピットインでのO'Rourkeの演奏はそれなりに見ているほうだと思うけれど、ここまでの状態は久しぶり。それを見つめながら、頃合を見計らって加わる坂田さんも強烈。圧巻なセット。

2ndでは早めに切れるO'Rourke。こんなにさっさとこの状態で大丈夫なのか?と思ったら、その後を受ける坂田さんがO'Rourkeに引けを取らない。テンション高すぎで、このまま最後まで突っ走るのかと思っていたら、気がつくと、激しさではない音で坂田さんが演奏をコントロールしている。フロントの2人の強烈な音を、井野さん豊住さんのリズム隊が支えきり、最終局面で井野さんのベースが音を止めると、それまで全力で漕いでいたペダルを止めたのにスピードは緩まずチェーンが回り続けるように、何かが確実に止まった事がわかるけれど、表情を変えて音が進んでいた。




この2daysは表裏一体の様だった。両日見て、それぞれの演奏の面白さがよくわかった。個々の演奏者達について言い出すとキリが無いので、この2daysの顔であるJim O'Rourkeについて少し考えてみる。

だけど眠いので後で続きを書く予定。あくまで予定。予定は未定。