井野信義 / 千野秀一 / 今井和雄

暑いと行動力が落ちるのでどうしようかと思ったのだけど、昨日は昼の部のピットインに足を向ける。少しでも暑さを避けるため、渋谷から新宿三丁目に着く副都心線を選択。イマイチ出口がよくわからないけれど適当に外にでると、歩行者天国で何故かエイサーをやっていて、それを見ている人達に進行を邪魔される・・・。

開演時間の14:30には間に合わなかったけれど、当然のように演奏は始まってなく、というか、オレが着いてからでも20〜30分ほど経ってから演奏が始まった。

ベースの井野信義、ピアノの千野秀一、ギターの今井和雄という編成は、4月の昼の部に見た井野と今井にドラムの山崎比呂志が加わった編成を思い出させる。でも、面子が変わっただけでなく、楽器が変わっているので似て異なるものとも思える。

4月のライブはフリーなセッションだったと思うのだけど、昨日の演奏は曲が用意された演奏で、まあ、判りやすく言えばフリー・ジャズだった。なのでやはり違うコンセプトだったという勝手な結論にオレは至った。

主導権を持っていると思われるのは井野さんで、懐の深い音でペースを作る。しかしアコースティックなベースの音色というのはジャズという音楽の持つ最も重要なイメージじゃないだろうか?とか、そういう事を思わせてしまうほど、オレはこの音に反応する。それも、隙間を埋めるような音の羅列よりも、余韻を残すような音の配置がされる時が好きで、井野さんは色んな奏法を駆使するけれど、ピッチカートで太い音を響かせるときの音が耳に残った。

千野の音をライブで聴いたのは今回が多分3回目。それまでの印象よりもダイナミックに音を鳴らす人だと思った。それでも少々神経質に音を選んでいるような印象もあり、まあでもそれは、背中を丸めてピアノに向かう姿からの視覚的な印象かもしれない。

今回の今井は恐らくエフェクトの類を使ってなかったと思う。そうする事でギターの本来の音が耳に入ってくるのだけど、そういう音にオレは勝手に、相変わらずDerek Baileyを思う。音楽はフリー・ジャズであっても、今井の演奏にはフリー・インプロを思わせる部分が多々ある。今まで聴いた演奏もひっくるめてこのギタリストの演奏は、強烈なインパクトを残している。