山本精一

サウンド・アナトミア』と一緒に買ったのが、山本精一の『ゆん』。実は内容のわからない状態で購入。どうやら『ギター・マガジン』等に連載していたエッセイを単行本化した様なのだけど、だからと言ってギターとか音楽についての薀蓄が語られているわけではなく、日々の山本の思った事が綴られている日記のようなもの。で、その話が面白く、これも一気に読み切ってしまった。ツアー先での宿泊所の事や観光名所、自身の性格についての分析とか、まあ、多少は音楽についての事も出てくる。正直、最初の頃は読点の位置に疑問があり読みづらかったのだけど、慣れるとそれが山本の語り口なのだと思え、個性として受け入れられるようになった。

日々の中で内心、「バーカ、ふざけんなタコ!!、ボケ!!」と思うような事があっても、モロに口には出さずにやり過ごしたりしているけれど、そういう事を思うのは自分だけじゃないのか?という疑問が浮かぶ。それを山本の文章の中で「なんだ、やっぱそうなんだ」と思わせてくれる部分が多々あって、そこで胸の痞えも取れる。癒し系の本。









山本精一 『ゆん』