Heavyweights

約1年ほど前の来日の印象も冷めない状態でPeter Brotzmannの再来日。今夜と明日は森山威男と佐藤允彦という、日本の重鎮との共演。森山さんは今年の正月のライブで1度演奏を聴いただけで、佐藤さんは今回が初めてライブで接する機会。Brotzmannが呼水になって、そういう音を聴くのも巡りあわせ。なので今夜はピットイン。
なんとなく佐藤さんの音にはクールなイメージがあった。一応CDは何枚か聴いているのだけど、その結果がそういうイメージ。その音とBrotzmannのあの音は水と油かと思っていた。だけど実際にはBrotzmannの音ともよく噛み合い、フリージャズが今でも全く有効な音である事を証明。Brotzmannの咆哮の後、佐藤さんのソロという展開が何度もあったのだけど、あの音の後を受けても全く気後れしない。アグレッシヴに音を並べるのは当然で、熱っぽい展開もある。でもやはりクール。カッコいい。
正月のライブでは、特に良くも悪くも無い印象が残った森山さんだけど、それについて謝罪しなければいけないんじゃないかと思うぐらい、強烈なリズムを作る。かなりパワフルに叩きまくる。今、脂の乗り切っているPaal Nilssen-LoveやChris Corsanoの叩きを思い出させる音。しかも、個人的にはあまり聴いた事の無いようなパターンのリズムも聴かせてくれて、だから手数だけで耳が引かれたわけじゃない。
そして今夜のオレの理由のBrotzmann。オレはこの人の顔が好き。サックスやクラリネットを吹くこの人の、その吹いている時の顔がいい。あの音を生み出すのは、あの表情じゃ無ければダメだ。強烈な咆哮で頭の中を真っ白にしてくれるのが最大の魅力だけど、でも実は、メロディーなラインをBrotzmannの個性で朗々と吹いている時の音の説得力に引かれる。