酒井俊 / 内橋和久

今日もライブを見たい気分だけど、どうも見たいと思わせるものが見つからず、もうなんでもいいから適当にピットインにでもいくかとか考えていたけど、思い出したようにクラシックスのHPをチェック。すると酒井俊と内橋和久のデュオ。見落としていたと言うか、オレは足を運ばなくなるとスケジュールのチェックすら忘れてしまうらしい。でも、今回は運良くこのライブに足を運ぶ事が出来た。

GWな人波を掻き分けクラシックスに到着。外にはあれだけ人がいるのに、パルコの前で何やらイベントやっていてマジでうっとうしいぐらい人がいたのに、ここにはトータルで20人も客がいない。まあ、いつもの事。微妙に地下だし、落ち着く。

酒井さんが冠のライブを見るのはこれで3度目(3月にde-ga-showのライブでゲストとして歌ったのはカウントしてない)。いずれも内橋がサポートとして参加しているものだけど、完全デュオは今回が初めて。ギターとの完全デュオというものに「大丈夫なのだろうか?」と勝手な不安を少し持っていた。だけど、全然問題ない。というより、オレが見た3回のライブで今夜が最も惹きこまれた。

歌ったのはこれまでにも酒井さんのライブで聴いてきた「Alabama Song」、「I Shall be Released」、「El Derecho de Vivir en Paz」、「ヨイトマケの唄」、「Hallelujah」、「四丁目の犬」(この曲、勝手に酒井さんのオリジナルだと思ってたけど違うという事が最近わかった・・・)、「At Last I am Free」、「Amaging Grace」、「満月の夕」等に加えてスタンダードな曲や今回初めて聴いた「見上げてごらん夜の星を」等々。

リアルタイム・サンプラーを駆使しながら、セッション時とは違った繊細な音で歌伴する内橋。もちろん、とても歌伴とは思えないアブストラクトな瞬間も多々ある。その音のどこでタイミングを掴んで歌声を乗せることができるのかオレにはわからないのだけど、酒井さんはその音に当たり前のように歌を乗せる。歌である事から逃げず、しっかりと歌いこんでくる。この、他では聴けないコンビネーションにはこれ以上言う事は無い。

そしてこの選曲。オレのツボ押し捲りの選曲。歌モノのライブで、オレがここまで胸を掴まれる事は殆ど無い。特に「El Derecho de Vivir en Paz」と「満月の夕」は、今日のオレにとっては偶然とは思えないぐらいのタイミングで聴けた歌で、それについては近いうちに書くけれど、やはり色々がつながっているとしか思えないライブだった。




最近、思った事が実現したりするのでそれを追記。

doubtmusicからナスノミツル名義のCDがリリースされるようだけど、昨年、月見でライブを見た帰りに、「doubtmusickからナスノのCDとか出せばいいのにな」と思っていた。で、その通りになった。そしてcombopianoも「琢磨が歌えばいいのに」と思っていたら本当にそういうCDがリリースされた。で、今夜、「このデュオでCDを作ればいいのに」と思った。芳垣を加えた編成でのライブをレコーディングした事は知っているし、その事を今日もMCで言っていたけれど、それとは別にしてでも、この2人でスタジオで録音したものが出たら面白いと思う。それぐらい、オレは今日のライブの音には魅力があった。できればdoubtmusicがいいんじゃないかと思う。doubtmusic初の完全歌モノとして、この組み合わせは文句無しだと思うんだけど。