池田亮司 (Ryoji Ikeda)

今までにCDは聴いてきた。だけど、Dumb Typeの音楽を担当しているという事から、池田亮司のライブというものに大きな興味が持てなかった。見るという行為と密接になっているものに対しての嫌悪感があった。だけど、やはり機会があるなら1度は見てみたいという興味も隠せず、確定申告も終わってないのに今日の16:00開演の恵比寿ガーデン・ホールでのライブに足を向けた。

ロビーの張り紙で、ライブは30分の演奏の後15分の休憩、そして25分の演奏という構成である事を開演前に知る。チケットの代金は¥6,000。割高感はある。でも、その時間でそれだけの価値のあるものを見せてくれればいい。そして¥6,000を高いとは思わせなかった。

スクリーンとスピーカー。それがあるだけのライブ。池田本人はステージに現れるでもなく、どこかでシーケンサーをコントロールしているのだろう。スクリーンには『Datamatics [Ver2.0]』という今回のライブのための映像。簡単に言えば、映画を見るような感じ。

映像は黒バックに白い点と線と数字と文字(アルファベット)。時折赤と青。特に目新しい映像ではない。描いているのは恐らくあらゆるインナースペースとスペース。それらが池田の強烈なパルスと一瞬の静寂にシンクロする。