Friction

Live, Pass Tour '80』は、廃盤状態だった『Live 1980』のタイトルを変更してリリースされたもの。このアルバムの音源は元々ライブ盤としてリリースするつもりで録音されていたらしく、音質も内容も問題ない。だけどなぜ録音された当時に日の目を見なかったかについては、ライナーを参照のこと。もう一つだけネタ晴らしすると、『Live 1980』としてリリースされた時はこの音源の管理者であるはずのPASSレーベルは無視されていたらしい。

既に書いたように、『Live, Pass Tour '80』の演奏内容は問題ない。というより、もの凄く良い。このアルバムは『Live 1980』として購入した時から繰返し聴き続けている。あの『ed '79 Live』が『79 Live』としてリリースされた時に、伝説の音源という事もあってかなり高い期待を持って聴いたのだけど、すでに『Live 1980』を聴いていた事によって『79 Live』の音の悪さは繰返し聴く事を難しくした。演奏の方向は異なっているけれど、『Live 1980』によってオレはやっと恒松正敏のギターをカッコいいと思う事が出来て、初期のFrictionというバンドのポテンシャルの高さもその時に気付いた。この鋭利なギターの音は本来の恒松の音ではないという事は既に知ってしまっているのだけど、でもここでのこのギターとReckのベースの跳ね具合は、時間が経過しても色褪せない。

このアルバムを聴いてしまうと、『Friction』はバンドの持っている棘を何本も抜かれてしまった状態だと思うことは、仕方がない事のはず。









Friction 『Live, Pass Tour '80』