Aki Takase / Silke Eberhard

高瀬アキがSilke Eberhardという女性管楽器奏者とのデュオで作った『Ornette Coleman Anthology』。タイトルのまんま、Ornetteの楽曲を演奏したもので、60年代までのOrnetteの楽曲が収録されている。Ornette自身はピアノ奏者との吹き込みが少ないけれど、そういう素材に高瀬アキが取り組むというのが面白い。どの曲も元々そんなに長い曲では無いのだけれど、このアルバムも各曲の演奏時間は短い。それでも矢継ぎ早という感じでもないのは、デュオであるため、1曲の中でそれぞれの音が聴き取りやすいからか。高瀬アキのピアノはやはり端正で、エッジが効いている。こんな音を持った人だという事を最近やっと認識したわけだけど、ホントにそれに気付けて良かった。Silke Eberhardは何者だか全く知らないけれど、なかなか鋭いアルト・サックスを吹く。Ornetteの曲は、Ornetteの吹くアルトの音自体が個性的なので、それのイメージと異なる音であることが要求されるけれど、Silke Eberhardは鋭い音を放つ事で、この作品がただのカバーアルバムになることを避けている。そしてバス・クラリネットを使った演奏も行うのだけど、それはオレにはどうしてもDolphyに聴こえてしまい、まあ、ジャズとかインプロを演奏するバスクラ奏者でDolphyを知らない人はいないだろうし、そういう音楽でのバスクラという楽器の代名詞はDolphyしか頭に浮かばないから、Silke EberhardからDolphyを感じるのは当然だと言えるし、それがオレにはマイナスどころかプラスに作用するという厄介な部分だったりする。

2枚組という結構な量だけど全然聴き飽きないし、オリジナルのOrnetteの曲をプレイリストで並べて聴きなおしてみたりして、かなりこのアルバムを楽しんでる。Ornetteのアルバムのジャケットを複合的に取り入れたと思われるジャケットもカッコいい。









Aki Takase / Silke Eberhard 『Ornette Coleman Anthology』