Joe Henry

お決まりのパターンだけど、「じゃずじゃ」で『Scar』が取り上げられて聴く事になったJoe Henry。ソング・ライティングに比重を置きながらも、音響的なものを取り入れたサウンドは、初めの頃は脳裏に刻まれる感触は無かった。だけど事あるごとに聴いて、アメリカのポピュラー音楽の歴史を根源として強く持っていると感じて、そこに聴き流せないものを感じるようになった。そしてそれをより強く感じさせる『Tiny Voices』が出たときには、この人の新作が出ることを待ち望んでいる状態になっていた。

それから4年の間を置いての新作『Civilians』は、前作、前々作よりも音響的ではないという記述を目にするけれど、見た目の音響ではなくて、既に空気の様にそれをかんじさせるようになっている。楽曲の持っている雰囲気もこれまでよりも個性的。Henryの歌声は、好き嫌いのハッキリしそうな個性的なものだけど、モノクロームな雰囲気を携えた音との絶妙な絡みになる。

このアルバムを聴きながら歩いていると、目に映る全てがアメリカ映画のエンド・ロールのように見える。









Joe Henry 『Civilians』