Shannon Wright

Shannon Wrightが注目を浴びるようになった頃、アメリカ的な癖の強そうなイメージがあって、その頃のオレはそういうものを避けていたので、名前は頭に残りながらも音を聴く事は無かった。だけどYann Tiersenに興味が出た頃に、この2人でのコラボレーション・アルバム『Yann Tiersen & Shannon Wright』がリリースされ、それを耳にする事になった。そこでは明らかにYann Tiersenが書いて無い様な楽曲があり、その中でもSonic Youthを連想させるようなものがあって、これがShannon Wrightの持ち味だろうと思った。そしてソロ名義の『Over the Sun』に手を出す。この作品はSteve Albiniが大きくかかわっている事もあって、オレが手を出しやすい条件。そしてこの作品は如何にもアメリカン・インディーというか、Albini絡みらしいというか、とにかくそういう音で、それがなかなかオレの気分に嵌った。

『Yann Tiersen & Shannon Wright』を聴いてから2年、ソロ名義では『Over the Sun』以来3年ぶりの新作『Let in the Light』は、少なくてもオレの聴いた前作にあたる『Over the Sun』からはイメージが異なる。ギターよりもピアノを自らの楽器としてメインに持ってきたことによる変化である事は確かだけど、それだけではなく、Yann Tiersenとの共演も影響を与えていると思える。だからこの作品は、アメリカン・インディーなロックという枠からは外れていて、色んなものが複合されている。音のシンプルさにThe Evensを聴いている気分になり、The BandやJohn Lennonを思い出させるものまである。そこに嫌らしさを感じるか感じないかが、好むか好まないかの分岐点なのだと思うけれど、オレは肯定的にその音を聴いている。









Shannon Wright 『Let in the Light』