Dip

折角興味の対象から外れていたのに、つい手を出してしまったDipの新作『Feu Follet』。これでつまらなければ、完全に興味を失うのでいいかと思った。

興味を持たなくなった理由は覚えていないけれど、メジャーに所属していたにも拘らずライブ盤をインディーから出した頃までは新作を追いかけていた。多分それ以来だから、、、何年ぶりなんだろう?

Dipというか、ヤマジカズヒデの才能というものはケチのつけどころはない。だけど多分、『Time Acid No Cry Air』を聴いたあたりでちょっと楽曲の質が下がりつつあると感じたのかもしれない。

だけど『Feu Follet』は頭からカッコいい楽曲がならぶ。歌入りがメインだけど、インストのものやほぼインスト状態の曲もカッコいい。

Dipシューゲイザーという枠にあてはめられる事がある。それはこのアルバムなら「Feu Follet」が格好の例。ここで繰り広げられるヤマジのギターに、シューゲイザーという言葉を用いるのは容易な事。だけどDipの音には、栄養失調気味なシューゲイザーと呼ばれる連中に比べると音に確信がある。それはNeil Youngを思い起こさせる。そしてアルバムの1曲目の「Am5-2」を聴けば、シューゲイザーなんてものよりRock'n'Roll Gypsiesを思い浮かばせる。というよりこれはまんまRock'n'Roll Gypsiesだと言える位骨太なロック。さらに終曲の「Barbolla」に至っては、ヤマジがソロの作品で表現していたものをあえてDipで演奏したように思える様なフォーキー感が漂う。だからこのバンドを、シューゲイザーなんて言葉で片付けるのはもったいない。









Dip 『Feu Follet』