AOKI takamasa (青木孝允)

ちょっと前に書いた『にほんのうた 第一集』をオレに貸してくれた職場の知人にある時「AOKI takamasaって知ってる?」と聞かれて、「知らない」と答えると、「カッコいいよ」と言われ、その場で彼のiPodに入っているAOKI takamasa坂本龍一の曲をリミックスしたものや、ツジコノリコとのコラボの音を聴かせてくれた。それらはアブストラクトなリズムの印象が強くて、オレも素直にカッコいいと思った。それから少し経ったある時、そのAOKI takamasaの新作『Live Recordings 2001-2003』がリリースされて、店頭に並んでいるのを見て、古い録音である事が気になったけれど結局購入。最近は打ち込み系をあまり聴いていないので、たまにはいいかという判断。

これもインプレがこの時期になったのはわけがある。それは『Live Recordings 2001-2003』がオレの聴いた彼の音とは印象が異なり、一度聴いただけで放っておいてしまっていたからで、それをノイズ4連発の後に思い出して聴いてみるとこれがカッコイイという事に気付く。オレの印象にある性急な疾走感溢れる音とは違うのだけど、この作品が録音された頃までのエレクトリックなダンス音楽を総括し、その中で錆びない音を選んで作り上げた様なトラックが並ぶ。そしてこの作品と現在のAOKI takamasaの音を重ね合わせると、ドラムン・ベースが進みたくて進めなかった音のようにも感じる。









AOKI takamasa 『Live Recordings 2001-2003』




これだけの音を作る人なのに今まで名前を聞いた覚えも無いのも不思議だと思いながらネットを見てると、高木正勝とSILICOMを組んでいた事を知る。実はSILICOMの名前は知っていたけれど、映像とのコラボがどうのこうのという下りにシカトと決め込んだ事を思い出す。やっぱなんでも、試せるものは試さないとダメだよな。