Ab Baars / Ig Henneman / 八木美知依

車両は小さいので嫌いだけど、やはり大江戸線は便利。などと思いながら昨夜はスーパーデラックスへ。Ab Baars / Ig Henneman / 八木美知依によるセッション。Ab Baarsは昨年見たICPオケの一員で、テナーサックスとクラリネット、そして尺八を扱う。Ig Hennemanはヴィオラ奏者で、Baarsの細君。八木さんについては今更。BaarsもHennemanも全く情報を持っていなかったけれど、そこに八木さんが加わるというだけでライブを見る理由は十分。

演奏は1stが3人でのセッション。2ndがトリオ→Hennemanと八木さんのデュオ→Baarsのソロ→Baarsと八木さんのデュオ→BaarsとHennemanのデュオ→Hennemanのソロ→八木さんのソロ→八木さんのソロからつなげてBaarsとHennemanが加わったトリオ、という順番で演奏が行われた(自信無し)。

Baarsは非常に熟練した奏者だと思う。例えばソロ演奏における音のつなぎが行くと思わせて行かないという寸止めを繰返し、聴いている側が困惑するのだけど、音自体はトリッキーなものを多用せず、わずかにフリーキーなものを混ぜ合わせる。クラリネットと尺八の音も良く、痛くない刺激を聴かせる。

Hennemanはその音色が気になった。当然のように硬軟自在に前後に音を使い分けるけれど、擦弦らしい音の引っ張り具合がよくて、八木さんとのデュオではお互いに弦を擦りあいながら音をつなぎ合わせているのが印象的だった。

八木さんは一見抑えた様な印象。だけどその実は流石だった。オレの好きなBaileyライクな音、ハーモニクス的な音は使っていなかったけれど、今回は単音でのフレーズが印象的。その音を聴きながら、「こうなってくるとギターも箏も関係無いな」と思わせ、とにかく聴く側にとってスリルのある音である事が重要という当たり前の事を再確認。