Hakon Kornstad / Havard Wiik

昨夜はHakon Kornstad / Havard Wiikの2日目。初日の入りを見て、開演ギリギリでも問題なく座れる事を予測し、そういう時間にピットインに到着。やはり問題なく座る場所を確保できた。

昨夜の1stはWiikのソロ。初日の2ndでのデュオ時にWiikのソロ状態でイントロを長めの演奏をする曲があって、その演奏を聴いた時から昨夜のソロの期待は大きくかった。そしてその演奏は期待を裏切らない内容。恐らくWiik自身の書いた曲を演奏していたのだと思うけれど、その曲の魅力は大きい。そしてWiikの曲と演奏に郷子ねーさんと似た感触を個人的には感想として持っているのだけど、郷子ねーさんのそれに対して、Wiikは若干エッジが押さえられて音の粒が揃った印象だけで、それが滑らかな感触として伝わる。

2ndは初日と同じくKornstadとWiikのデュオ。このデュオの印象も初日より昨夜のほうがいい。Kornstadは明らかに初日よりも吹き込む場面が多く、思わずそれに注視してしまう事が多々あった。Kornstadというサックス吹きは、フリーキーな音を殆ど使わない為、それを少し期待してしまうオレには初日の演奏に物足りなさを感じたのは事実だけれど、昨夜の様な吹ききる姿は、フリーキーな音に従事してしまうタイプのサックスよりも引き込まれる場面がある。

アンコールはRoland Kirkの「Inflated Tear」。これをやると言った瞬間、思わず「やった」と思ってしまった。




冒頭でわかると思うけれど、両日共にとても盛況と言えるような状況ではなかった。10月のThe ThingやScorch Trioもそうだったけれど、個人的にはこの状況は解せない。ノルウェーのジャズがもてはやされるようになって結構経つと思うけれど、そのキッカケはBugge WesseltoftでありJazzlandだった。そのピークがいつだったのかはわかりにくいけれど、多分Jazzlandの作品が日本盤もリリースされるような状況になったときだと思う。勿論全てがリリースされるわけじゃなく、日本盤をリリースする会社のお目がねにかかったものだけが出てくるのだけれど、Havard Wiikのトリオ作は勿論、Hakon Kornstadも最近出たソロ・アルバムが日本盤としてリリースされている。それでもノルウェー政府の助成金が無ければライブが成り立たないという事は、もうとっくにピークは過ぎているのだろう。だからちょっとした興味ぐらいでは、ライブに足を運ぶ人はいない。それでも多分、Buggeがライブをやるとしたらそれは人が集まるのだろうし、来年8月に来る可能性のあるAtomicが来たら、それは盛況になるはず。だけど、Atomicのライブを見た経験で言えば、昨夜のライブや10月のPaal Nilssen-LoveとIngerigt Haker Flatenのライブの方が演奏の凄みを感じたし、各々の力量を感じ取る事も出来た。だからオレは、多分大入りになるであろう来年8月のAtomicには行くけれど、昨夜のライブを見なかった人達には「残念でした」と言いたくなる。

と、毒づきたくなる位の状況、見る側にとっては人がいない方が見やすいに決まっている。そして二晩とも、個人的には客の態度も良かったように思う。ブームは去っても、それでもそれを聴き続けているという人たちが集まった結果なのだろう。だけどというか、だからというか、オレはこういう機会がこれからも欲しいから、もっと客が入ってくれないと困る事になる。見たくても、客が入らなければライブは行われないから。あまりライブに行かない人は、ちょっと二の足を踏んでいたり、或いは都合がつかなくて行きたくてもいけない人もいると思うけれど、それを差し引いても・・・。