Robert Wyatt

Soft Machine時代のRobert Wyattがどういう考えの持ち主だったかしらないけれど、ソロで音楽を発表するようになってからのWyattの音楽を聴く時、その思想の部分と何らかのリンクを考えさせるようなものがあった。と言っても、オレがWyattを聴きだしたのは『Shleep』からで、それ以前の作品は後追いで確認するように耳にしてきた。個人的には何の情報も持っていないところにリリースされたWyattの新作『Comicopera』。レコファンで輸入盤を見つけ、それに対しての情報が何も無かった事もあり、これが新作なのか、それとも未発表音源の類なのか、或いは少し待てばボートラ付きとかで日本盤が出るのかわからなかったけれど、ウチに帰ってネットで調べてから購入などという抑えが効かず、見つけたその日に購入した。

Wyattのあの独特の美しい声は相変わらず。だけど、色んな種類の音楽が聴こえてくるし、全体的に軽い印象が残った。手に入れてから既に1ヶ月以上が経過しているけれど、改めて聴いてみても特に印象は変わらない。苦渋に満ちた音楽を作れというつもりはないけれど、もう少し一定のトーンで貫かれた音楽であって欲しかった。などと思っていたのだけど、今までのWyattの作品は、その音に惹きつけられながらもあまり繰返し聴くという事はなかった。『Comicopera』は、Wyattらしさは残しながらもこれまでより風通りの良い印象が残る。それは聴きやすいという事になり、これはこれで特徴的な作品だと思った。









Robert Wyatt 『Comicopera』