Kip Hanrahan

Kip Hanrahanの作る音楽を大まかに言うと、キューバ音楽をジャズ系ミュージシャンがNYのセンスで演奏したものだと思う。そこに色々なエッセンスを上手く塗すのがHanrahanのセンス。これまでにも、Arto Lindsay、David Murray、Jack Bruce、Don Pullen等を上手く扱ってきた。誰を使おうとあくまでもKipの音楽の中の一要素にしてしまえる手腕は、良くも悪くもHanrahanの音楽の個性。

新作『Beautiful Scars』ではBransdon Rossが歌っている曲がいくつかあり、Brandonの最近の音楽的趣向と相成って、全く違和感がない(相変わらずCassandra Wilsonを思い浮かばせる)。Brandonの音楽が好きであれば、『Beautiful Scars』も難なく受け入れられるはず。

それにしてもイヤになるぐらいカッコいい。ここまでカッコいいと、これを聴いている事が少し恥ずかしい気分になるから不思議。









Kip Hanrahan 『Beautiful Scars』