Caetano Veloso

Multishow Ao Vivo-ce』は昨年リリースされた『ce』のライブ盤といった性格のもの。あくまでも『ce』ありきのものだし、これと『ce』のどちらかを選択する必要があるならば、間違いなく『ce』を選ぶ。と言う事ぐらいしか書く事は無いけれど、Caetano Velosoが好きならそれなりに楽しめる。突き放したような事しか書いてないけど、実は結構繰返し聴いた。









Caetano Veloso 『Multishow Ao Vivo-ce』




あまりにも書く事がないのでライブ盤というものを少し考えてみる。

ライブ盤の存在価値は、アドリブが重要視される演奏のものと、そうじゃないものでかなり変わると思う。ジャズに端を発したアドリブが重要な音楽では、スタジオ録音であろうがライブ録音であろうがどうでもいいと言えたりする。音質面にこだわればスタジオ録音の方がいいのだろうけれど、演奏する毎に内容が変わってしまうアドリブ奏者がいる状態の録音はそれを聴く事に意識が持っていかれるので、多少の音質の問題や雑音は気にならない。

一方、アドリブ重視ではない演奏のライブ録音というものの中にはスタジオ録音されたものの再現というものがあり、それのライブ盤を聴くという事は、そのミュージシャンのファンであるという事が大きな理由だと思う。勿論、アドリブが主体じゃなくてもアレンジを変えたり編成を変えたりする事によってライブ盤の価値が変わってくる。例えばDylanなんかはその代表的な例だと思う。さらに面子の妙や、スタジオ録音のものより演奏がワイルドになったりする事で、そこに面白みを見つけることが出来る。

ONJOの最新版である『Live Vol.1 - Series Circuit』と『Live Vol.2 Parallel Circuit』は、ライブで録音されたものをマスタリング以外にも手を加える事によって、所謂ライブ盤とは異なった作品に仕上がっている。個人的にはこういうものは面白い。

でも、アルバムの再現のようなライブ盤にも惹かれるものもあったりするし、結局一概ではないなあとも思う。自分が見たものがCD化されたりすると、内容どうこうを超えて思い入れで評価する部分は否めないし。