坂田明&ちかもらち

Supersilentがフリージャズを全く感じさせなくなったところで、逆にガツガツのフリージャズを聴いてみたくなる。

なので、これまた長い事放置してあった坂田明&ちかもらちの『ズボンで』を聴く。これはJim O'Rourkeが関わっている社会人レーベルからのリリースで、サックスの坂田明に、ベースのDarin GrayとドラムのChiris Corsanoというトリオ編成。

内容は直球ど真ん中のフリージャズ。これが60年代の録音と言われても驚かない。演奏者それぞれが出し惜しみせず、持てる力量を発揮する。そのなかでもやはり坂田の音に凄みを感じる。辣腕なリズム隊に一歩も引かずに全編吹きっぱなしな印象。フリージャズ世代ではないはずのリズム隊も、まるであの時代の連中のような熱い音。こういうところは流石はアメリカンといったところ。

テンポが遅い曲では、若干スピリチュアルを感じさせたりするところもいい。だから、アコースティックなフリージャズを包括的に聴ける。聴くタイミングは選ぶ音だけど、それを間違えなければかなり効く。









坂田明&ちかもらち 『ズボンで』