The Nels Cline Singers

The Nels Cline Singersの新作『Draw Breath』も、購入後結構経っている。この手の音はライブで接する機会が多い為、CDのインプレは滞りがちになってきた。ともあれ、Nels Clineの音をライブで聴いた事はないし、その機会もいつあるのかわからないので、この人のCDは「いつか」までの繋ぎとして重要。

TNCSはギターのNelsとベースのDevin HoffとドラムのScott Amendra(1曲WilcoのGlenn Kotcheが参加)というシンプルな構成な為、この名義の音が最もNelsの演奏を堪能できると言える。

Nelsといえばイケイケガンガンなイメージはあるけれど、このユニットのアルバムはそればかりじゃない。一度聴けば満腹になるタイプが多いフリーやアヴァン系と違い、ジャジーな音もあれば、アコギによるコードカッティングがあったり、さらに演奏力よりも楽曲の魅力で聴かせる様なものも含まれていて、Nelsというギタリストの懐の深さがうかがい知れる。

この名義はどのアルバムもいいのだけど、『Draw Breath』は、「Recognize II」で終盤現われるBaileyを思い出す音が含まれている事が、個人的には嬉しい。









The Nels Cline Singers 『Draw Breath』