David Sylvian

Altered States 3daysと内橋和久のソロで3日間4公演を見たけれど、それでもしつこく昨夜はDavid Sylvianのコンサートを見に行った。場所はオレと相性の悪いオーチャード・ホール。とは言っても、Marisa MonteやFaiz Ali Faizはそういう印象じゃなかったので、きっとジャズ系じゃなければOKだろうと思って見に行った。

なんとなく見に行く事にしたライブなので、チケットは発売後結構経ってから購入したのでかなり後方の席だけど、あまり気にしなかった。演奏内容についても特に情報を探したりせず、勝手にエレクトロニカな方向だろうと決め付けていた。



が、



大間違い。



演奏されたのは所謂ソング・フォーマットのもの。そもそもオレがSylvianに注目するようになったのは『Blemish』なので、それ以前のSylvianのものはあまり知らない(CDは何枚か持ってるけど・・・)。それでも構わないと言えば構わないのだけど、ちょっと予想外の展開だったのでなんとなく慌てた。とにかくそういう演奏なので、『Blemish』の時とは違いバンド編成になっていて、ドラムに弟のSteve Jansen、ベースにKeith Rowe、そして何故かピアノが渡辺琢磨(Combopiano)。何曲か聴き覚えのある曲があったけれど、総じてあまり知らない曲が多かった。そして肝心の演奏はと言うと、まあなんていうか、、、正直言って大したものではないな、と。いや、演奏というよりも、音がイマイチしっくり来ない。やはりハコの問題じゃないかと思う。オーチャードで聴く音は低音の響きがあまりカッコよくない。昨夜も、Roweのベースはダルダルの音だった。さらにイマイチだったのはJansenのバスドラで、この音がなんともシンセ・ドラムな音。しかもそれが結構Roweのベースの音を殺す。そのせいでエレベやアコベを使い分けても、Roweのベースからはグルーヴが感じられなかったのかもしれない。琢磨はなんていうか、まあこんなもんかな、と。琢磨が弾く必然性はよくわからなかった。

こんな印象なので、正直言ってあまり楽しめる内容ではなかった。もう少し違うハコの方がよかった気がする。それでも、Jansenがドラムセットの横に向いて演奏している曲や、あまりバスドラが響かない曲はなかなか良かった。



あまりSylvianのファンではないのでこういう感想になったと思うけど、ファンの人たちはどうだったのだろうか?と思って某掲示板を見る(他に不特定多数の意見を知る機会がないから結構多用している / つーかSylvian伝説板・・・)。まあ、そんなに悪い事は書いていないけれど、「やっぱりそうか」と思った事も書いてある。それは演奏時間が結構短かった事。1時間と少しの演奏時間だったのだけど、それはSylvianの体調の問題だったらしい。最近ならBattlesが短い演奏時間だった事を思い出したけど、あれは結構体力を使う演奏なので納得がいく。だけどSylvianのライブは、Jansenもそんなに体力を消耗するようなタイプではないので、ダラダラと続けても演奏者側はそんなに体力的に厳しくはならないはず。あっさり演奏が終わって客電が点いた時にオレは「潔いな」と思ったのだけど、あまりライブに行かないような人達なら結構ショックだったんじゃないだろうか? オレとしてはオーチャードの椅子が苦手な事もあり(後方に向かうスローブ上の階段も最悪)、あれぐらいで終わってくれてよかった。だけどふとチケットの半券を見ると、¥8,500と書いてある。そっか、¥8,500もしたか。もしかしたら今年見たライブでRHCPの次に高い金額設定のライブじゃないだろうか? で、とてもじゃないけど¥8,500の価値のあるものではなかった。あれなら¥2,000ぐらいでいいはず。体調が悪かったのであれば「潔く」ライブを中止するべきだった。あれでOKという心優しいファンも多いのかもしれないけれど、それは単なる甘やかしじゃないかな。とは言っても、オレももしLou Reedが同じ事したら、「あれでOK」と言うかも知れんけど・・・。



なんか嘘なのかホントなのかわからないけれど、パンフレットの価格が大阪では¥5,000で、東京では¥6,000と書いてあったのだけどどうなんだろう? 全く同じものを大阪と東京で違う値段で売ると言うのはかなり暴挙だと思う。



客電が点いた直後に席を立ち、グッズには目もくれずCDの物販へ行った。それは別にSylvianのCDを買うためじゃなく、今回の日本でのSylvianの2公演だけCombopianoの『Collected Works 2000-2007』が特別先行発売と書いてあるチラシを見たからで、それをサクっと手に入れようと思った。そしてCDの物販のところに行くと、(オレの直前に来てた人がグッズ売り場と勘違いしてたので)「グッズのコーナーはあちらになりますけど・・・」と言われたのだけど、「いや、、、(並べているCDを見て)これ下さい」と、『Collected Works 2000-2007』をゲット。で、その物販のお姉さんが綺麗系だったのでラッキーだと思いながら岐路についた。




必要以上に長くなったけど、なぜエレクトロニカなライブだと勝手に予想していたか?、について。それは『When Loud Weather Buffeted Naoshima』を購入済だったからで、一応これがSylvianの最新報告である以上、こういう音をやるのかと思っていた。このアルバムの投稿をするつもりはないのでここに感想を書いておくけど、『When Loud Weather Buffeted Naoshima』はハッキリ言って大して面白いものじゃない。単にSylvianがFenneszらを従えてサウンドスケープを作ったと言うだけの作品で、かなり冗長。だけどこれがライブで再現されると感想が変わるかもしれないという気持ちがあった。だからライブを見に行った。結果こういう感想になった。まあ、こういうこともある。二度とSylvianのライブには行かない。と書きたいけれど、大友良英がSylvianの作品用に録音をしたという事を前にブログに書いてあったのを読んだので、それが作品化された時に大友を加えてツアーとかしたら結局見に行ってしまいそうなので、「二度と行かない」という言葉は保留。