Altered States / 岡本洋 / 天鼓

Altered States 3days、或いはAltered States結成18周年記念の2日目の昨夜も、そそくさとピットインへ。前日の風と雨に比べて、穏やかな天気だった。

初日はリクエスト大会というお題目だったけれど、昨夜はゲストを加えてのセッション。ASの真骨頂というべきか。

1stと2ndに1人ずつゲストが加わる形で、まず1stには岡本洋という鍵盤系を操る人。ASのカバー大会、もとい、(他人の)アルバム再現プロジェクトでの貢献度が高い人で、昨年のPink Floydや一昨年のSantanaの再現プロジェクトに参加していた。岡本のそういう演奏しか知らなかったので即興のセッションという場は少し意外だったけれど、ASとのセッションに呼ばれるぐらいだから当然そういう素養はあるのだろう。

鍵盤が加わった状態のASと言えば、昨年の3daysでの高橋悠治とのセッションが思い起こされる。あの時はASが高橋に合わせた演奏だったと思うのだけど、昨夜は逆に、岡本がASに合わせるような形だった。いや、合わせるというのはちょっと違うかもしれないけれど、その音楽性で直接ASを刺激するというよりも、ASの音に反応して音を色付けしていく様な形だった。シンセの音はASの音に被せる様に響かせ、ピアノは作られたスペースに音を挟み込むような感じ。内橋がエレクトリックな音で賄っていた部分を岡本が担当してたともいえて、今までよりも極端な起伏が少なかったと思うけれど、そのせいで攻撃的な音が多かったという印象。

2ndのゲストはヴォイス・パフォーマーの天鼓。1年前にSDLXで聴いたセッションではこの人のパフォーマンスは楽しめなかった。だからあまり期待せずにいた。が、大間違い。昨夜の天鼓は1年前に見たセッションとは違って、迫力あるヴォーカリゼーションを披露。それに呼応するASは、ASのイメージと違った演奏になる。天鼓が我鳴ると、ASの演奏も含めてハードコア・パンクになる。冗談抜きで若干アブストラクトなハードコアのようで、マジでカッコいい!! そういう瞬発力を随所で発揮し、短い楽曲を曲間無しで演奏しているハードコア・パンクのライブのようだった。グルーヴなバンドになる前のBoredomesの様でもある。テンションが上がっちゃってる内橋のギターはパンキッシュと言える感じだったし、それに呼応する芳垣もかなりパワフルなドラミング。ここまで叩き続ける芳垣は初めてみたような気がする。そしてナスノは一瞬それらに飲み込まれそうになりながらも、やはりクールにグルーヴを挿入。でも引っ張られたりする場面もあり、そういうナスノを見るのも珍しいと思った。

アンコールはゲストの2人を含めた5人でのセッション。これが1stとも2ndとも異なった感触で、なんとなくBertolt BrechtとかKurt WeillとかDoorsとかSlapp Happyを思い起こさせる。音そのものも、内橋とナスノはエフェクトを外したような音で、Companyが即興じゃなくて作曲されたものを演奏しているような雰囲気だった。