杉真理

ミスチルからの流れのボーナス・トラックのようなもの。

ミスチルの所に書いたように、桜井の歌を聴いていて杉真理を思い出す。声やポップな曲のメロが似ていると思った(改めて聴くとそうでも無いけど)。それで杉真理の歌が聴きたくなり、CDで唯一手持ちの『Niagara Triangle Vol.2』に入っている曲を聴いて、もっと聴きたくなったのでCDが売っているか調べるとタイミングの良い事に過去の作品がリマスターされて再発されていた。何年か前に調べた時は軒並み廃盤だったのに。もちろん嬉しい事だけど、CDの購入を抑える目標があまり達成されなくなってきた。

中学なガキの頃、同じサッカー部で同じクラスだったやつに杉真理聴かせてもらった事が、意識的に聴いた初めての事。今思えばマセているそのダチは大瀧詠一を中心に音楽を聴いてい、オレが佐野元春を聴き始めた頃に『Niagara Triangle Vol.2』を持ってきてオレを洗脳しようとした(というか洗脳された)。『Niagara Triangle Vol.2』は大瀧と佐野と杉真理の歌が4曲ずつと、3人のマイクリレーによる「A面で恋をして」という、当時ベスト10番組なんかにもランクインしたような曲が入っていて、「「A面」ってこの人達だったのか・・・」と少し驚く。そしてオレは『Niagara Triangle Vol.2』を気に入り、そこで杉真理の個性も気に入ったという話をダチにしたところ、そいつは『Symphony #10』を持ってきた。オレはそれをカセットに録音して繰返し聴き、杉真理を気に入る事になる。そして高校なガキの頃にリリースされた『Sabrina』は自分で購入(その頃には中学のダチとは疎遠)。これも当然のように繰返し聴いた。オレが東京に出てきた後にも、『Ladies & Gentlemen』というアルバムが出てそれも手に入れたのだけど、その頃はポップスを受け入れにくい体質になっていたせいで、殆ど聴かずに手放した。

なのでオレにとって杉真理は『Symphony #10』と『Sabrina』、そして当然『Niagara Triangle Vol.2』、さらに「バカンスはいつも雨」と「いとしのテラ」、この辺に殆ど集約される。「バカンスはいつも雨」と「いとしのテラ」の入ったアルバムはとりあえずシカトして、『Symphony #10』と『Sabrina』を購入。淀みの無い歌声と楽曲に懐かしい気持ちになり、ちょっとヤバイ感じはあるのだけど、でもやはりこの人の稀有の個性には抗し難い。

個人的にはミスチルのポップな面が強調された楽曲より、杉真理のこれらの楽曲の方にポップスとしての完成度を感じる。なのでミスチルファンな方々には、機会があれば杉真理の曲を聴いてみて欲しい。そして毎度の様に、アヴァン、アングラ馬鹿な皆々様は、どうせ反応出来ないので聴いても無駄かも。









杉真理 『Symphony #10』









杉真理 『Sabrina』