Proletarian Meeting vol.14

ライブ鑑賞五連荘・・・。でも、これで打ち止めなのでリアルな知人は「そんな時間があるのなら田舎に顔出すべきじゃ無いのか?」等の説教禁止。

昨夜はGRID605へ行ってProletarian Meeting vol.14というMartin Taxt / 秋山徹次 / 中村としまるによるセッションを見てきた。火曜にSDLXで見たSpecial Improv Quintet!のスモール・コンポジションという事になる。そのSDLXでこのライブの宣伝をしているのを聞いて予約が少ない状況である事がわかり、GRID605という場にも興味があるし、ライブに行ってみる事にした。

場所は吉祥寺のビルの一室。ビルというか、普通の集合住宅の一室だと言った方がいい。大友良英のブログにも書いてあるように、12畳ほどのスペース。禁煙、飲食無し。そこに三人のミュージシャンとSDLXと同じぐらいの集客(20人未満)。まるで新興宗教ネズミ講の説明会のような雰囲気がたまらない(とは言っても新興宗教かとネズミ講の説明会に行った事があるわけじゃ無い)。場が場だけに元々大きな音での演奏は出来ないけれど、この三人にはそれは問題ない。演奏は40分ほどの演奏を2セットといった所だった。

終始ウネウネ動いてウザイ客もいたけど、全体的には静かに音を聴いていた。とんでもない近距離なので、SDLXよりも聴く側の緊張感は高い。Taxtと秋山はPA無し(中村は当然出力先が無ければ音は出ないのでそんな事は出来ない)。正しく生音。Taxtが時々出す土管で音を鳴らしたような音はMats Gustafssonのバリトンの音を思い出させる。秋山は音数を端折ったBaileyの様であり、やはりここにオレの耳は一番反応する。中村は結構大きな音を出す事も多く、近隣からクレームがこないかと思ったけど、この場は普段はGRID605ではなく、個人営業のスタジオとして機能している場所だという事を思い出し、防音はある程度施してあるのだろうと理解。

アヴァンな即興とは違い、やはり熱のようなものは感じない。カタルシスしないクールな音の配置で、恐らく大きな支持を受けることは難しいと思う。オレはこの手の音が好きなのか?と考えると、素直に気に入っていると答えるのは難しいのだけど、でも何かを感じているからSDLXに続けてGRID605にも足が向いたはず。その理由はそのうち気付くかもしれないし死ぬまで気付かないかもしれないけれど、こういう音が存在しているという事は「退屈なヒットチャート」に対する絶対的なアンチテーゼ。