Otomo Yoshihide's New Jazz Orchestra

オーケストラ編成のものというのはあまり好きじゃない。それが藤井郷子大友良英が主導のものでも考えは変わらない。だからONJOも昨年2月のライブ以降は特に見たいと思う事も無く、少々活動が停止してもあまり気にしていなかった。だけどONJOが恐らく現在の大友にとってはメインのユニットであり、そういう状態である以上、一応大友の音が気になる立場ではシカトを決め込むのも難しい。という事でONJOの新作『Live Vol.1 - Series Circuit』を購入。ちなみにこれはキッド・アイラックでの先行発売で購入。

手に入れて既に2週間以上が経過し、それなりに何度か聴いた。意図的にバラバラな録音をコンパイルしたこのスタイルは、「純粋なライブ音源」の様なものを望む輩には嬉しくないと思う。オレはバラバラな録音のものがコンパイルされていようが、一夜のライブの完全版であろうが、あまり気に留めない。どういうスタイルであれ、面白ければいい。そしてこの盤は、いくらかの音源からセレクトしたものだから悪い内容であろうはずが無い。オレが昨年2月に見たライブの音源も収録されていて、その事だけでも嬉しい気分になる。が、昨年の2/10の投稿にも書いたように、そのライブ自体はかなりの集客であった為、楽しめたライブという言い方はしにくかった。音を出す側だけじゃなく、見る側にもそれなりのコンディションが整っていないと、印象が良いものになるとは限らない。もちろんそれは演る側の問題じゃないけれど。

とにかく、自分の見たライブの音源を改めて聴いてみて、ライブの時よりも印象が良かった事が収穫。そして演奏された楽曲によって、個人的に気に入るものとイマイチなものがある。それはDolphyの曲の演奏をイマイチ好きになれないという事と、それ以外の曲の演奏はまあまあ気に入っているという事。この作品を聴いてオレが『Out to Lunch』をイマイチ好きになれなかった理由がわかった。オレには『Out to Lunch』は『Out to Lunch!』の現代的な解釈というよりも、只のオーケストラ拡大バージョンにしか聴こえない。現代性があろうが無かろうが、オケ編成が苦手というオレの致命的な趣向のせいで、『Out to Lunch』及びこのライブ盤でのDolphyの楽曲が好きになれないということだと思う。それならば大友のオリジナルや「プレイガール」、「涙から明日へ」は何故気に入っているかという点が気になるけれど、それは多分『Out to Lunch!』への思い入れの強さと、非ジャズ曲という事が関係している。『Out to Lunch!』は今でも時々耳にするもので、これは何度聴いても飽きず、多分何かを超越してしまったものがあると思う。なので『Out to Lunch!』は、オレにとってはDolphyのアルバムで完結してしまっている。それに比べてそれ以外の楽曲は、非ジャズであり雑食性があり、だから恐らくオリジナルの音では完結してなくて、常に新しく変わり続ける事が出来て、それを大友がONJOの面子の持ち味を活かす様にアレンジしていて、だからそれは、オケ編成であっても引きつけるものがある。









ONJO 『Live Vol.1 - Series Circuit』