Shellac

Steve AlbiniがStoogesの『The Weirdness』で口を出すエンジニア(簡単に言えばプロデューサー)をしているのを知って、「それもいいけどShellacは?」と思っていたら、久々の新作『Excellent Italian Greyhound』がリリースされた。

今までShellacを特に特徴付けて聴いていたわけじゃないけれど、オレの聴いた感じでは『Excellent Italian Greyhound』はこれまでの作品と特に大きな違いは無い。スピードやメロディーに頼ることなく、骨太なリフをゴリゴリ聴かせる。数年間大きな期待をしていたBattlesの1st『Mirrored』が個人的にはイマイチだった事を、関係の無いShellacが補ってしまった。ギター&ヴォーカル、ベース、ドラムというシンプルな編成。余計なものは足さない。アヴァンギャルドの様に行き先不明でもない。ベースはギターの陰の様に動くから、音の隙間は多い。ドラムは鋭く重たい音を叩きだすけれど、派手な演出を好まない。ギターはザクザク音を吐き出すけれど、フリーキーに走る事は無い。ヴォーカルは、それを聴いてこういう風に歌えるようになりたいと思わせるようなものではない。音色はモノクロで、メジャーのロックしか聴いていなければ退屈なものに聴こえるかもしれない。だけどこれは間違いなくコアな音。ロックが何なのか、そんな事はどうでもいいかもしれないしオレもそんな事を普段考えるわけじゃないけれど、これはロック以外の何者でも無い。コアの音を提示するその姿は、テクノで言えば初期のRichie Hawtinを思わせる(何故テクノを引き合いに出す?、というツッコミは拒否)。新しくも古くも無い。だけど、ここにはオレがロックを聴く理由があるような気がする。









Shellac 『Excellent Italian Greyhound』