Friction

昨夜は昨年の7月、クアトロ以来のFrictionのライブ。今回はリキッドルーム。約一年ぶりに聴く事の喜びと、そして今後のFrictionについて勝手に色々考えさせられるライブだった。

Reckと中村達也という二人で再始動したFrictionだけど、ハッキリいえば、やはりそろそろギタリストが必要だろうと思う。別にライブの内容に文句があったわけではない。ReckがFrictionの曲を歌えばそれだけで満足できるし、今の状態でも東京でライブがあれば出来るだけ見に行くつもりなのは今後も変わらない。だけど、名古屋で再始動して、そして昨夜のライブを見てて、すでにこの二人でやれる事は完成に近づいている気がする。Reckはベースを弾いているのかギターなのかわからないし、中村達也のパワフルなドラムも申し分ない。だけどこの先が見えにくい感じがあって、ライブ自体の完成度が高くなった事によって新たな要素が欲しくなった。それはやはりギターが入る事になると思うし、約二年前に見た大友良英が加わったセッションでの音を思い起こせば、いくらReckがエフェクトしようとも本物のギターの音の鋭さまでは得にくい。そんな事は当然Reckはわかっていて、それでもこのスタイルを選んでいるのだろうけれど、昨夜の最後の曲「Zone Tripper」を聴いていて、やはりこの曲のイントロはギターの鋭い音で奏でられた方がその魅力をより引き立たせるはずだと思った。そしてもう一つ、ギタリストが必要だと思った理由があって、それはReckの指にかかる負荷が今のままでは大きすぎると思うからで、昨夜のアンコールの時に左手を振っている場面があった。ギターの代わりをベースで実現する為にエフェクターに頼るだけではなく、普通のベースプレイでは行わないような奏法をReckには強いられる。そういう奏法がたまに出る分には問題ないのだろうけれど、全ての曲で必ずそれが必要になることを思えば、今のReckの指への負荷は想像に難しくない。