Jazzland Community

Jazzland発足10周年記念かなんかのライブかなんかの音源をコンパイルした『Jazzland Community』。Bugge Wesseltoftを筆頭に、Eivind AarsetWibuteeのHakon Kornstad、Sidsel Endresen、そしてJazzland Communityという名前での音源が収録されている。Beggeのソロ・ピアノで幕を開けるこのアルバムを聴いて、初めてBuggeを聴いたのはJazzlandのアルバムではなく、Billy Cobhamの『Nordic』(リンク先の価格を見ろ!!)だった事を思い出す(これも『じゃずじゃ』でマーク・ラパポート氏が薦めていたものだけど・・・)。ジャズ+クラブ音楽(或いはエレクトリックな音)のパイオニアとしての側面が強いけれど、当然出自はジャズである事を再認識。続くBuggeの演奏は思いっきりエレクトリックだけど。AarsetはベースのMarius ReksjoとドラムのWetle Holteを伴ったトリオと、サックスを加えたカルテットでの演奏。どちらもMiles的なファンクに通ずるものがあり、文句無し。Aarsetのカルテットでサックスを吹いたHakon Kornstadは、なんとサックス・ソロ。オレにとってWibuteeはPer Zanussiであった可能性が高い今、今後のWibuteeの存在にはあまり注目していないけれど、このサックス奏者は歌心溢れる演奏を披露。サックスのソロ演奏といえば阿部薫が頭に浮かぶのが常だけど、Hakonの演奏はSonny Rollinsの『Solo Album』に通ずる。要するに、ジャズ・ファンが聴いても楽しめるはずのもの。Sidselは『One』とは違い、歌に拘った歌唱。ソロで歌う楽曲と、BuggeとAarsetのトリオで歌うものが収められている。当然文句無し。如何にもヨーロッパ的な音というのはオレはあまり好きじゃなく、Sidselの根底にそれがあるのは感じるのだけど、この人の歌声はオレの趣向を超越していて、だからこそより多く惹かれる。歌である事と音として表現する事、そういうものをまとめて表現出きるSidselは、唯一無二の存在。

上記のメンバー全員が揃ったスタジオ録音も2曲収録されていて、Jazzlandというレーベルのここまでの歩みをドキュメントしたかのようなこのアルバム(と言ってもAtomicが入ってないけど・・・)は、困ったらこれを聴くというアイテムとして重宝するはず。









Jazzland Community 『Jazzland Community』




たまには日記的な事を。松涛の温泉の爆発事故、その当日、その事を知らないオレは夕方に「大丈夫でしたか?」と聞かれて「何のこと?」と思い、それでその事故の事を知る。オレは渋谷に住んでいるわけじゃ無いけれど、まあ、渋谷に程近い。だから誰かに「何処に住んでいるのか?」と言うような事を聞かれるとめんどくさいので「ほぼ渋谷」と答える。渋谷といっても渋谷駅だけしかないわけじゃ無いので、場合によっては渋谷という住所でありながらも全然渋谷じゃ無いようなところもあるのだけど。で、あの爆発事故があったところ、実は週に二回ほどはあそこを通って帰る。当然高級住宅街の松涛に住んでいるわけじゃ無いけれど、公道を通るのにそこの住民である必要は無い。だからオレは時々あの道を通る。普段は人通りもほとんど無く、そこの住民しか通らないような道だけど、あの日以来そこは封鎖されたまま。なのでもう一本向こう側を通って帰るのだけど、そこはあの温泉施設に通ずる道で、あの事故以来、それまでより人が多い。事故処理の関係者とかヤジウマとか、そういう輩がいて、あの事故の事は当分忘れられない事になる。というか、あの事故が起きた時間によってはもしかしたら自分は今ここに居ないという事を思うと、複雑な気持ち。もしもの時を考えれば、なんか色々清算しておくべき事あるよな。まあ、今のオレがいなくなっても、本気で悲しんでくれそうなのは田舎の両親ぐらいだろうけど。とか、余計な事考えるこの数日。