Yuji Oniki

Yuji Onikiは日系アメリカ人のSSW。そのOnikiの新作『Tokyo』を手に取ったのはFernando Kabusackiや勝井祐二が前作にあたる『Woodstock』に参加していたと言う事を知ったからで、勝井は『Tokyo』にも参加している。それぐらいの知識で@towerの宣伝文句を読み、

The Beatlesを吸収したArto Lindsay」とか「エクスペリメンタルなMatthew Sweet」と書いてある。ここまで書かれて興味を持たないわけ無い。

が、『Tokyo』を「The Beatlesを吸収したArto Lindsay」とか「エクスペリメンタルなMatthew Sweet」と思って聴くのは難しい。なんでそんな形容する必要があるのかよくわからない。でもどこかで聴いた感じはあって、少し悩んで気が付く。これはWilcoの『Sky Blue Sky』と音の感触が似ている。勿論偶然なのだろうけれど、この『Tokyo』を聴いていると『Sky Blue Sky』を聴いているのか『Tokyo』を聴いているのか、よくわからなくなる。頼りなさげだけど丁寧に歌いこまれる歌、歌に寄り添いながら音を作り上げていく演奏、それでも音のみでの聴かせどころでの高揚感、そういったものも『Sky Blue Sky』と遜色ない。固定されたバンドであるWilcoが作り上げた音と、とりあえずこのアルバムの為に集められた面子での『Tokyo』に同じものを感じる事というのは、このアルバムの完成度(あんまり好きな言葉ではないけど)を示している。









Yuji Oniki 『Tokyo』