Tadd Dameron / John Coltrane

レコファンは現在輸入盤¥300引きというセールをやっている。新作扱いのものは対象外だけど、元々リアル店舗ではもっとも輸入盤の価格が安いと言えるので、文句は無い。なので、新作では無いもので聴いてみたいものを漁っているのだけど、それで手に入れたのがTadd Dameron / John Coltraneの『Mating Call』。元々Coltraneのプレスティッジ時代のものはあまり聴いてなくて、この『Mating Call』も今回初めて耳にする。

と言っても、特に書くことは無かったりする。この時代のColtraneは既にMilesのグループに加入し、「ヘタなサックス吹き」と言われてた時代だと思うのだけど、何の気に無しに聴けば、特にそういう事を思うようなものではない。そりゃ、既に完成されていたSonny Rollinsなんかと比べれば多少の見劣りはするのかもしれないけれど、残念ながらオレにはそこまで違いはわからないし、聴き比べるつもりもない。じゃあなぜこれを聴くかと言えば、普段のオレの趣向で行くとこういう音に触れる機会は減っているし、でも、嫌いなわけじゃないので、何かしらのキッカケを探して時々耳にしたいと思っている。それが今回のセールと、『Mating Call』がRVGリマスターで出しなおしされたというタイミング。

このアルバムは、やはり「Mating Call」と「Soultrane」が印象に残る。というより、この2曲は聴き覚えのある曲で、「Soultrane」は武田和命が『Gentle November』でアルバムのトップに置いた曲だからという事はすぐに頭に出てきたのだけど、「Mating Call」は絶対聴き覚えがあるにもかかわらず、何で聴いていたのか思い出せない。まあいい。「Mating Call」は印象的なテーマを吹くColtraneと、ちょっとドタバタするドラムが良い。当然この時点でのColtraneはシーツ・オブ・サウンドなソロではないけれど、テーマを生かしたソロはなかなか聴き応えがあり、これの何処がヘタなテナー奏者なのかオレには理解出来ない。「Soultrane」は正直言って武田のテイクほどではないけれど、意外にもバラッド表現の上手いColtraneといのが既にここで顔を覗かせていて、後年の姿からは想像つかない原曲のメロディーを歌うという事を誠実にこなしている。









Tadd Dameron / John Coltrane 『Mating Call』