Perry Farrell's Satellite Party

Perry Farrellの新作『Ultra Payloaded』を初めて聴いた時、イマイチに思えて残念な気分になった。仕方ないのでJane's AddictionとPorno for Pyrosはカッコ良かったという事を書いてこのアルバムのインプレにするつもりで、もう一度耳にしようと聴き直したら、、、なんか結構良い。

Jane's AddictionにしてもPorno for Pyrosにしても、いくらか神格化されている部分がある。それはあの時代のカリスマであったPerry Farrellがいたバンドという事が大きいわけだけど、だからそこを再確認せずに『Ultra Payloaded』を聴くと、あそこにあった特殊な感じを見つけられないように思ってしまう。だけど、それを振り返ってみて『Ultra Payloaded』を聴くと、Perry Farrellの歌声はそんなに変わらないし、そもそもオルタナティブという言葉で誤魔化されていたとも言えるその特異性みたいなものの裏にも、しっかりロックのそれまでの歴史が刻まれている事に気付く。時代の空気を完全に掌握したJane's Addictionは確かに特別なのだけど、でも、単純にロックとして聴いた時、『Ultra Payloaded』がそれと大きな差があるわけでもなく、結局ロックである事に拘ったPerry Farrellの今の素直な音は、過剰な期待さえしなければ、実はあの頃と何も変わっていないんじゃないかと、そう思う。









Perry Farrell's Satellite Party 『Ultra Payloaded』