Red Hot Chili Peppers

東京ドーム。通称ビッグ・エッグ。ここに来たのは何年ぶりか考えた。それこそ15年前ぐらいはよく野球を見に行った記憶がある。当然そこのホームチームセリーグ)がアンチなオレは、虎ファンやヤクルトファンのやつと三塁側かレフトスタンドで観戦するのが主だった行為だったけど、貰ったチケットで一塁側に座った事がある。それは確かVS 横浜で、一塁側に座っているにもかかわらずオレ等(5人 / そのうち3人がドラ・虎・燕ファン / 1名ノンポリ / 1名紳士)は、周りが全て敵なのにも関わらず、横浜を応援するという今ならネットで叩かれそうな行為をする(当然それはドラ・虎・燕ファンの3人の行為)。試合は紳士のペースで進んでいたので、多分オレ等にむかついていたであろう紳士な方々は、それでも紳士なチームが勝っている状況だったのでこらえていた。だけど状況が一変する出来事発生。6回表ぐらいの横浜の攻撃で、選手は忘れたけれど、オレが思わず「**がHR売って逆転するっ!!」と適当な事を言っていると、正しくそのとおりの結果に。そしてまだうら若き乙女な紳士のファンがオレ等(というか明らかにオレ)に指差し「退場!!」と叫ぶ。大ウケ。結局そのまま横浜が勝ち、横浜ファンでもなんでもないオレ等は大喜びをするという悪態をやってのけた・・・。ドームにこの手の記憶しかないわけじゃなく、Rolling Stones初来日コンサートの時の初日と最終日を見た記憶もある。何年か前のNBAの開幕戦を見に来た事もあった。Kevin Garnett率いるMinnesota Timberwolves対J-Will(トリッキーでオレは大好きな選手)率いるSacramento Kingsの第二戦、コートの近くのチケットは約5万円というとんでもない金額だったので無理だったけど、一応なんとなくその雰囲気を味わった事だけは覚えている。あれってもう7〜8年ぐらい前かも。等と歩きながら思い出す。



そんな昔話を思い起こさせるドームに来る羽目になったのは、Red Hot Chili Peppersのコンサートを見るため。延期になった三月の公演の振替だった。色んな気持ちはピットインに置いてきた(カズのパクリ)、ままRHCPを見るのは辛いのだけど、一度は見ておこうと思っていたので、これが最初で最後という気持ちに切替えてドームに入る。

中に入ってとりあえずビール。いつものようにサクっと飲み干し、もう一杯買って席に向かう。Stonesを見たときはスタンド席だったけど今回はアリーナ。一応全体の真ん中ぐらいの席だった。が、そこに辿り着いた時点でまず顔がわかるような距離じゃない事を確認。ステージもシンプルな作りで、Stonesがスタンドにいても楽しめるぐらいの凝った作りのステージだった事を思えば、ちょっとどうよ?と言いたくなる。

19:00開演予定のコンサートは20分ほど遅れて始まり、21:00には全て終わるという瞬発力溢れるものだった。『Blood Sugar Sex Magik』なオレなのだけど、一応それ以降も聴き続けていたので曲名はわからなくても聴き覚えはあるものが多い。「Parallel Universe」はロックなRHCPで一番カッコいい曲だと思うし、「Higher Ground」はカッコよかった。そしてアンコールの最後の曲「The Power of Equality」は待ってましたな状態で、やっぱこれがRHCPの持ち味だよなあと思ったコンサートだった。当然『BSSM』なオレには「Give it Away」が最も聴きたかった曲だし、やはり「Under the Bridge」も出来れば聴いてみたい曲だったけれど、今回は『Studium Arcadium』発売後のツアーなので仕方が無い。というか、前日は演っていたようで・・・。

客席が一番盛り上がっていたのは、「By the Way」だった。正直なんでそうなかわからなかったけれど、多分『By the Way』一番売れたアルバムで、客の大半はこのアルバムでRHCPを知ったのだと思う。何年か前にカラオケでこの曲を歌った時、普段特に音楽が好きというわけではなさそうな子がこの曲を知っていて驚いた事あったし。




本文で終わってもいいのだけど、一応先月10本ライブを見た立場での感想も。はじめから望んではいないのだけど、音は×××。それはRHCPの問題ではなく、ドームなんてメインは野球をやるところなのだから、ここでいい音というのは望む方がおかしい。ドラムはシンセ・ドラムのように聴こえるし、ギターはキンキンするし、ベースは重低音な音を出す時以外は存在感が弱い(それでもグルーヴはあった)。一番マトモだったのはヴォーカルだったと思うけど、結局は全体の音量を上げただけの音の設定だったと言えて、ダイナミズムみたいなものは伝わらなかった。そして決められたものを決められたとおりに淡々と進行するというショーだから、スリルは無い。あえて言えば「次はどの曲?」という事ぐらい。

とか言いながらも、オレなりに盛り上がって楽しんだ。ドームに限らず大きめのホールのようなところで見るコンサートというのは、音だけを楽しみに行くものではない。その場の雰囲気とか、空気とか、少なくても目的が同じ人たちがそれなりにいるという状況とか、そういうものをひっくるめて楽しむ。多分そういう事だと気付いて、そういう状況を楽しんでみた。

でも、二度とドームでのコンサートには行かないと思うけど。