Tha Blue Herb

オレにとっての懸案事項Tha Blue Herb。新作『Life Story』の展開によっては、今後、その音を聴く事を止める予定。結果、どうだったかといえば、とりあえず保留という状態になった。

『Life Story』には、気になる言葉がいくつかある。それはいつもの事なのだけど、ただ、そろそろヒップホップにこだわったリリックを外して欲しいという気持ちは、『Phase 3』の時に書いた。Bossの選ぶ言葉自体は気に入っているけれど、だけど選ぶ話に疑問符が浮かぶものも多々ある。VS ヒップホップ・シーンみたいなものは、この音楽に拘っているという事の証なのだろうけれど、だけど既に、そのシーンにTBHの相手はいない。それを取り巻く状況みたいなものに対する気持ちもあるだろうけれど、そこを超えることによって、確実に違う段階に進むはずで、オレはそろそろそれが聴きたい。『Life Story』の特に前半は、言い方は変えていても、まだシーンに対する言葉みたいなものを多く感じる。但し「D.I.S.」で、DISする事の意味を訴えている事に今までと違うものを感じ、さらにアルバム後半で出てくるヒップホップに言及しない曲は、Bossの現在の心境みたいなものが感じられ、同年代だからこそわかる言葉を聴く事が出来る。ヒップホップを思うこと、そしてそれ以外を思うことが、偽らざるBossの姿なのだろう。だから『Life Story』がオレの期待するものと合致していなくても、これを否定する事は出来ないし、そこにもやはり魅力を感じる。

O.N.Oの作ったバックトラックには、プログラミング的というか、テクノなどの打ち込み的な音を取り入れたと思えるものが多く、この音を個人的には気に入っていて、聴き方によってはJapanese Synchro Systemと重なる部分が多い。Calm経由でJSSを気に入った人でも、今回のTBHのアルバムにも反応できると思うのだけど、どうだろうか?

最初に保留と書いたけれど、恐らくオレにとって音楽の中の言葉をストレートに聴くという最後の存在がBossだと思う。それを思えば、多分これからも色々思いながら、聴き続けていく事になるのだろう。









Tha Blue Herb 『Life Story』