John Zorn's Cobra 東京作戦 ブンブン作戦

昨日は昼間からのビールが美味い陽気だった。だけど、昼間のアルコールはまわりやすく、場合によっては休日を完全につぶしてしまう。それはそれで楽しいだのけど、昨日は昼間から野球中継はあるし、夕方には見に行こうか少し悩んでいた『John Zorn's Cobra 東京作戦 ブンブン作戦』もあるという事で、押さえ気味にビールに手を出す。そして夕刻、特にやばい状態にもならず、ラ・ママに向かった。

ラ・ママも完全にオレの歩行範囲内。恐らく、一番近いハコはここだと思う。なのでその近くを通る事は多々あるのだけど、何故か今まで一度も入った事が無かった。入り口で料金を払い中へ。なんかいかにもよくある古いハコで、なぜここがそれなりの知名度があるのかよくわからないけれど、25周年という事らしいので、老舗という事なのだろう。

ドリンク・チケットを相変わらずビールに変え、適当な席に座る。そしてメンバー入場、ライブが始まる。

Cobraのライブは年に何度かは行われているはずで、今までにも何回か見るチャンスはあったはずなのだけど、何故か昨夜まで見たことが無かった。John ZornのCDの『Cobra』は、音楽として面白いと言うよりも、こんなやり方もあるのかという方に興味が向いていた。本家のアメリカで現在Cobraがどれぐらい演奏されているのかわからないけど、日本では巻上公一がプロンプター(指揮者のようなもの)となって細々と続けられている。今までの参加メンバーなどを見ると、個人的に気に入っているミュージシャンも多々出演しているのだけど、昨夜は殆どが知らない面子。プロンプターの巻上以外にはあふりらんぽのぴかちゅうぐらい。あとは名前も何も聞いた事が無い・・・。

以前、Cobraは図形楽譜というようなことを書いてしまったけれど、あれはオレの認識違いで、実際には数字やアルファベット等が書かれたカードを用いる。数字やアルファベットにはそれぞれ意味があり、また、カードの色も白とか赤とか黄とか、何色かある。そのカードをプロンプターが提示し、その意味に則った演奏が行われるのだけど、その際に演奏者を指定したり、或いは演奏者側からプロンプターに要求が出たり、さらにゲリラというルールで、それを使うものが頭にバンダナを巻いてそのゲリラな演奏を行ったりする。思ったより色々と決まりごとがあり、それを覚えるのが一夜漬けで可能かどうか、まではわからない。

正直な話、個々の演奏力みたいなものは、よくわからなかった。あまりにも場面の変更が多く、一つのスタイルを追うと、すぐに別のものに変わる。たまにグルーヴィーな展開があっても、それもすぐに終わる。だけど、この移り変わりの速さが面白い。演奏者はかなり集中力を要求されるように思え、常にプロンプターから目を離せない。もちろん、間違えたりする事もあって、それは巻上を見ていれば気付くのだけど、それはそれで折込済みなのだろう。

既に書いたように、個々の演奏だけの魅力を強く感じる事は出来なかったけれど、ベリー・ダンサーなども配されていて、ステージ上の面白さというものも多分にあった。そして、昨夜のMVPはぴかちゅうじゃないかと思う。あふりらんぽは演奏力というよりも、その奇をてらったスタイルに注目してしまっていたので、演奏はあまり面白いものじゃないと思っていたのだけど、わりと強い音が出ていて、決して見てくれだけのものじゃない事がわかったし、あの意味不明な歌はさえまくりで、かなり笑わせてくれた。そして意外にも、、、と言っては失礼かもしれないけれど、存在のフリークス感で今まで気付かなかったけれど、実は結構ルックスも可愛い。その変てこな衣装とあわせてみると、まるで80年代のアイドルの様でもあり、それが昨夜の最大の収穫かも・・・。