Dirty Dozen Brass Band

昨夜はDirty Dozen Brass Bandが、昨年の傑作『What's Going On』を引っさげてのツアーの東京公演という事で、見逃す手は無い。

場所はクアトロ(クアトロのビールはせこい / あんなの1ドリンクとしては扱えない / 酷すぎ)。満員と言っていいぐらい人が入っていたと思う。19:00の開演予定から20分ぐらい遅れてのスタート。不勉強なオレにはよくわからない曲が響く。うーん、これがニューオリンズセカンドライン)・ファンクか。よくわからんけど、管楽器のアンサンブルは流石だな。とか思いながら見ていた。わりと1曲の演奏が長く、多分2曲ほどの演奏が終わってから、『What's Going On』に収録されていた曲が演奏される。もちろんアルバムにフィーチャーされていたゲスト陣はいないので、アルバムで感じた印象とは異なる。まあ、それがライブってものなのだから別にいい。その後も『What's Going On』の曲やそうじゃない曲が次々と演奏され、最後にJacoの「Liberty City」の一節も飛び出し本編終了。当然のアンコールがあって、21:00ぐらいにはライブが終わった。

と、なんとなく淡々と書いているのは、正直言えばあまりノリを感じなかったからで、もう少しグルーヴィーなのかと思っていたけれど、あまりそういう感じではない。それは恐らく、ベースをギターではなく、スーザフォンという管楽器が担当している事に関係している。この楽器の出す音自体は面白いのだけど、ただ、ファンクというものの中心のグルーヴは、やはりベース・ギターの特性が活きている部分が大きい。それが無い状態でのファンクは、ちょっと気の抜けたビールのようでもあり、まあ、体は動いたのだけど、正直言えば物足りないと思ったライブだった。2本のラッパを同時に吹いたり、ギターを歯で弾いて見せたりなど、ライブならではの楽しさはあったけれど。簡単に言うと、パーティー音楽って感じだった。まあ、それを好むかどうかは趣味の問題だし、あの場の雰囲気は盛り上がっていたのでいいと思うけれど、多分オレはDDBBの単独でのライブに行く事は2度と無い。

フォロー、じゃないけれど、演奏は良かったと思う。ただ、ファンクというより、ジャズな方の持ち味が大きいと思った。各楽器のアドリブ・ソロなんかはそれなりにバリッと吹いていて、NOがジャズ発祥の地であるという事が確認できる感じだったのだけど、流石にジャズ一辺倒な連中ほどのスリルは無く、「思ったよりは」という感じだった。と、ホントに全然フォローになっていない。あ、『What's Going On』に収録されているオレの好きな「Mercy Mercy Me」が聴けなかったので、それで落胆して不満が噴出している。という事にしておく。