Porcupine Tree

昨年、MMの「じゃずじゃ」で、マーク・ラパポート氏が大プッシュしていたPorcupine Tree。二ヶ月に渡ってそのリーダーのSteven Wilsonについて書いているのを読んだけれど、あまり食指をそそられず、タワレコなんかでCDを手に持って見たりはしたけれど、結局レジまでは持っていかなかった。だけど新作『Fear of a Blank Planet』が店頭に並んでいるのを見て、そのジャケットが妙にヘヴィメタを思わせ、Nine Inch Nailsがイマイチだった事をこれで補えるかもしれないと、よくわからない理由で聴いてみる事にした。



アコギのリフで始まる「Fear of a Blank Planet」。ドラムが重なり他の楽器も入ってきても、あんまりサイケとかプログレという言葉のイメージはない。どちらかといえば、グランジではない90年代のアメリカのロックを聴いている様。そこに入ってくる歌声は、ロックの歌としてはアクが弱く、力みも感じられない。ヴォーカリストというより、シンガーという方が似合う。なんだか妙にさわやかな感じもする。歌が終わってからのインスト・パートが結構長いのだけど、それも特にヘヴィーな展開に行くわけでもなく、ちょっと肩透かし。

続く「My Ashes」。ピアノにアコギのコード・ストローク、更にストリングスまで出てくる。どこかで転換点が出てくるかと思っていたけど、リズムが加わる以外に特に変化はない。

3曲目の「Anesthetize」は、アルバムで最も長い17分を超える曲。ドラムがリズム・キープというより、フレーズする感じがなかなか良い。それを中心に添えながら淡々と進みながらも、時折ギターが絡んだりして起伏をつける。歌が消えてインストが長くなってきたので、そのまま最後まで押し通すのか?と思っていると、ちょっとアシッド・ジャズなキーボードのコード音。それが気持ちよく続いているとキーボードが消え、ギターのコード・リフが前面に。そして歌が戻ってきて、ドラムのバスドラ連打が耳に付くような展開。ハードコアにいくのか?、と思わせるけれど行かないけど行くやっぱ行かないと思っていると、急におさまり、まるでPink Floydでも聴いてるようなシンフォニックな展開に移る・・・。

4曲目の「Sentimental」はピアノが引っ張る。ナイロンなアコギや、エレキも含めてメランコリックな曲。

5曲目「Way out of Here」は徐々に盛り上がりながら、落ち着き、盛り上がり、落ち着きを繰り返す。ちょっとせわしない。

最後の「Sleep Together」は、不穏なギターのリフが印象的。これが時々消えながらも再浮上し、この曲の印象を強くする。



このバンド、Kabusackiの師匠でもあるRobert Frippが絶賛しているらしいので、なんとなくToolっぽいのかと思っていたけれど、まあ似てなくもないけれど、歌の感じがいかにもなToolに比べて、Stevenのこの手の音には似つかわしい感じがなかなかいい。曲もわかりやすいし、なかなか良いんじゃないかと思う。過去作を聴いてみたくなるほどではないけれど。









Porcupine Tree 『Fear of a Blank Planet』