Telmary

普段あまり足の向かない吉祥寺。あまりどころか、何年ぶりか?と考えようとしたけれど、思い出したところで得するわけでもなく、思考停止。オレの住んでいる所からそんなに遠いわけでは無いけれど、用が無ければ行く事は無い。だけど昨夜その用が出来た。その用というのは、Telmaryのライブを見るという、「用ではない」と言われても仕方の無い事だったりする。まあとにかく、スター・パインズ・カフェに向かう。恐らく最後に吉祥寺に来たのは、そのSPCに行った時だと思う。だけど場所を覚えていない。大体はわかっているけれど、ここは勘を使う。当たる。自画自賛

入り口でギネスをオーダー。一階(地下二階)に下りて、ギネスを受け取りそれを舐めながら集客チェック。ちょっと微妙。フロアに人が少ないし。まあ、オープニング・アクトはシカトと決め込んでいる人も多いのだろう。そのオープニング・アクト、昨夜はRinoだった。つーか、前座があるとは知らなかった・・・。まあいい。結構嬉しい誤算。Rinoというのは、元Lamp Eye、現雷家族RinoMicrophone Pagerのアルバムにも客演していたし、それより何より、DJ Krushの楽曲でもフィーチャーされていて、名曲「」でのTwigyとのダウン・テンポなラップはRinoの名演の一つ。そのRinoを見る機会に恵まれたわけなので、オレに文句があるわけも無く、ニヤニヤしながらそのラップを聴く。

バックはなんと生バンドスタイル。DJ無しだったと思う。そのバンドは少し音が痩せていて、もう少し腰にくるような音が欲しいところだった。まあ、このスタイルというのは、いくらかの試行錯誤は必要だろう。RinoTwigyとは異なったタイプのスピード感が持ち味で、それを昨夜は感じることが出来た。けれど一つ苦しかったのは、言葉が聴き取りにくいという事。知っている曲なら正確に聴き取れなくても理解できると思うけれど、殆どが知らない曲だった。それを聴き取るのは少し難しかった。その辺はラップというスタイルの問題か、日本語ラップの問題かわからないけれど、より幅広い層にアッピールしたいのならば、昨夜のようなB向けではない場こそ大事だったはず。その辺が惜しいと思った。まあ、Telmaryが出てきてデュエットという場面もあってなかなかよかったけれど。

Rinoの露払いが終わり、ステージのセッティングを整えてTelmaryの登場。ドラム、ギター、ベース、トランペット、パーカッションに、フロントにTelmaryと並んでシンガーが加わる。そのシンガーは、主に高音担当。Telmaryはアフリカンと思えるような衣装を来ていて、細身。背もあまり高くなく、可愛らしい感じ。バンドの演奏はキューバ・ジャズとでも言った方がいいようなもので、リズムは流石といった感じ。だけど、ベースの音が少し抑え目で、それが個人的には惜しいところだった。ま、あの場で体動かしている連中を見てると、殆どがドラムとパーカッションに合わせてリズムを取っていたので、ラテン的にはあれでOKなのだろう。そして肝心のTelmary。CDの『A Diario』で聴けたような滑らかなで高速のラップを披露。やはりこれはカッコいい。音的にはB系よりもラテン系に喜ばれる音だけど、今のRinoのスタイルもラテンに対する意識が感じられる音だし、それこそRinoのリスナーなんかにはTelmaryは受け入れられやすいんじゃないだろうか? まあとにかく、こういうスタイルのライブを見たのも久し振りだったので、最初の一杯の後は珍しくビールをコロナに変更。結局四本ぐらいコロナを飲んだのだけど、もう一本と思っていたら、「すみません、コロナ売り切れました・・・」といわれ、結局最後はギネスで閉めた。って関係ないな。